2017年7月27日(木) ◆僕の心を取り戻すために

こんばんは、北浜にある画廊喫茶フレイムハウスの阿守です。


また、ヘタレな時間に店から撤退した僕ですが、考えなくてはいけないことが山ほどあるのです。その代わり、明日はギタリストの泥酔した真鍋さんを背負ってホテルまで連れて行くことになるかも知れないので、今のうちから「ハッ!」と気焔をあげています。


もう今は頭のなかに音符しかなくてですね、ゆっくりと飲んでいられない状態なのです。食べていても、飲んでいても「あれ?そういえばあの曲のこの部分はどうだったっけ?」とか、髪を切られていても、「あそこのストロークは羽根のように」とか、寝ていても「せっかく指が動くようになってきたのに、寝たらまた戻るんじゃないか?」と不安に駆られてしまう状態です。


今日、昼下がりのフレイムハウスで万作さんと話しをしました。


万作さんは懸命に安物の扇子にセミを描きこみ、阿守はギターを練習している空間。外からはミーン、ミーンとセミの声がして、店の中はリズムが早くなったり遅くなったりする、時計の音だけが適当に時を刻んでいる。


「万作さんがこれだけ時間をかけて絵を描いても、お客さんにお渡しすれば、それでおしまい。僕がどれだけ長い時間、練習をしてても、それは曲が終われば流れ去る。なかなか面白いものですね」


「ワシは…、口ではうまいこと言えんのやけれども、そうやな…、うーん、もしもそれが作品やったら、作った人の手を離れてからのほうが、色んな人になんか残しよるん違いますか」


「そのとおりだと思います。どうなるのかわからないけれど、後は知るか。ですよね」


「作ったもんがどこへ飛んでいくんか、誰になにを残すんか、そないなことまではワシらにはわからんですわ」


「やっぱり、面白いなあ。実に面白い」


「…そうや!思い出した!これ、阿守さんにいうとかないかんことあるんですわ」


「金ですね」


「あら、お見通しで。実は電気代の支払いが昨日あったんと、あとはワシの一か月分の風呂代の支払いがあったんで、もう手元にお金がないんですわ」


「言いにくいことを教えてくださってありがとうございます。これで足りますか?」


作品はどうでもいいとして、金だけはどこへ飛んでいって、誰が何に使うのかハッキリさせておかなければいけなかろう。世の中、芸術家ばかりだったとしたら、まず、会計士が失業してしまうであろうことは自明の理なのだから。


多分、僕は万作さんに賭けたのではない。


僕は自分自身に賭けてるのだ。


阿守孝夫、人生は一度きりだ、しっかりやれ!


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by amori-siberiana | 2017-07-27 01:23 | 雑記 | Comments(0)


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