2017年8月20日(日) ◆北浜イングリッシュ・クラブ、そしてギムノペディア

こんにちは、北浜にある猫のひたいのように小さな店。画廊喫茶フレイムハウスの阿守です。


昨夜のイベント【英会話で世界支援を OSAKA KITAHAMA ESL Meet Up!】にお越しくださいました皆さま、ご来店ありがとうございました。


シラフで日本人同士が英語で話すとなると、僕なんかは気恥ずかしくなってしまうものですが、ほんの少しのアルコールがあることで、そのシャイな気持ちもなくなり、なんとか自己表現を英語でしてやろうと思えたものです。


オーガナイザーの上仲君が用意してくれた、自己紹介のフォーマット文章やその日の会話の議題などにそって、スムーズにイベントを進行してくれるので、あっという間の90分でした。


僕もいつも時間が考えていることを、英語に置き換えてしゃべってみると、こんな稚拙で平坦な表現でしか自分のことを相手に伝えられないのかと、とんでもない不自由を覚えました。まるで手足を縛られて、日常生活をさせられているような窮屈さを感じました。


英語力を鍛えれば、この窮屈さはどんどんなくなっていくのだろうと思えば、自然とこれから英語を勉強していかなければと考えています。自分自身を語ることばを持っていないと、これほどまでに自分の存在があやふやなものになってしまうのかと、驚きもしました。僕たちは無意識のうちに、相手が発していることばの端々や表現のクセから、その人のイメージを作っているのでしょう。


会も終盤に差し掛かったころ、フレイムハウスの扉が開いて、ハイタッチの男が黒の作務衣の装いで入ってくる。ギャラリーの女にハイタッチを求めるが、「どうして私があなたとハイタッチしなくちゃいけないの、嫌です」と拒否されて、相当凹む。これは愉快な光景だった。


そしてその後、イベントをしてることなんてまったく知らない、会計士の男もいちげんさんとして店にやってくる。僕が英語での自己紹介のフォーマットを会計士の男に渡して、自己紹介を促すと、「なんで、英語…?」という絶妙な顔をして英語での自己紹介をする。この対応力、さすが。


イベントの時間を過ぎても談笑は止まらないが、神戸の女がバスの時間があるのでまず帰り、アイルランドへ留学する女、北陸から亡命してきた男、ギャラリーの女も夜も更けてきたことなので帰宅の途につく。


残ったのは、ハイタッチの男と会計士の男、そして上仲君と僕、版画家の柿坂万作さんだけとなった。


ハイタッチの男は周囲を見回して、上仲君に穏やかな口調でこういう。


「上仲君、僕をどついてください」


また、はじまった。ここ最近、男同士のくんずほぐれつばかりを見させられている原因のすべては彼である。


「ええっ?殴れませんよ、そんなことしていいんですか?まず僕は人を殴ったことがないです」と躊躇する上仲君の発言は社会人として当然の対応だ。


会計士の男が、それなら自分が殴ってみたいという。


どうぞとハイタッチの男が腹を差し出し、会計士の男の強烈なパンチが決まる。ああ、この会計士は格闘技をしてるなというのが僕の目でもわかる。


すると、店の階段を誰かが上ってくる音がする。


入ってきたのは、これまたいちげんさんの北浜でIT会社を経営する男だった。また、とんでもないときに来たもんだな僕は思う。万作さんは彼にむかって「別に殴りあいに参加せなあかんわけやないですから」と遠慮がちに彼へ伝える。


彼は目の前で殴り合いを見ながら、ハイボールを飲んでいる。いつしか殴り合いには上仲君も加わっている始末だ。


「すいません、いかせていただきます!」、「来い!」、「うおおおー!」、「次は俺だな!」、「押忍っ!」、「うごぉ」…。という言葉が繰り返される、魂のルフランだ。


こんな茶番を見させられて、この経営者の男は何を思うのだろうか…。


突然、「すいません…」と経営者の男がいう。


みんなの注目が男に注がれる、次に何のことばを発するのか静聴の面持ち。


「僕の腹も殴ってくれませんか」と経営者の男が続けていう。


…なんと!ブルータス、お前もか!


ハイタッチの男が「ようこそ、ファイトクラブへ」という笑顔で経営者の男の腹を殴る。そのあとは攻守交替となり、次にハイタッチの男の腹を経営者の男が殴る。


経営者の男の重たそうなパンチを受けたハイタッチの男がこういう。


「あなた、鍛えてますね」


経営者の男は「はい、柔道で近畿3位でした。今もコナミスポーツで鍛えています」と答える、店内は「どうりで…」という反応をする。


万作さんがハッとしたような顔で経営者の男をみて口を開く。


「ワシ、このかた、何回かスポーツジムのシャワー室で見かけたことありますわ」


万作さんは家に風呂がないので、コナミスポーツジムの会員となり、そこでシャワーを浴びているのだ。版画家と経営者の男は互いが何時ころにジムを利用しているのかなど、意見交換していた、どうやら二人が重複する時間帯があるようだ。


「ああ~、やっぱりワシの思っとった人や、体毛濃いですよね」


「いや、濃くありませんよ」


万作、なんの話しなのだ、聞いているほうが気色悪くなってくる。


エリック・サティの「ジムノペディ」は古代ギリシアの祭りにて、青年がたわむれる模様が描かれた壺からインスピレーションを得たそうだ。


現代のキタハマにて、中年がたわむれる模様をみさせられたら、サティはどんな曲を書くであろうか。


気がつけば、僕以外、全員が腕相撲を延々と繰り返していた。そして聴こえてくる「近大節(※近畿大学の体育会系の歌らしい)」、地球はしっかり自転しており、北浜の夜は容赦なく暮れていく。


そうそう、僕が目指していたカフェはこんなカフェだったのだ。な、わけがないだろうが!


今日の画廊喫茶フレイムハウスはアイルランド祭りじゃ!


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by amori-siberiana | 2017-08-20 11:58 | 雑記 | Comments(0)


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