2017年08月24日(木) ◆WHERE DO WE COME FROM?

こんにちは、北浜にある猫のひたいのような小さな店。画廊喫茶フレイムハウスの阿守です。


今日の北浜はすこぶる蒸し暑く、ほんの少し外に出るだけでも汗が噴き出すという有り様。少し歩いては汗をぬぐい、少し歩いては汗をぬぐいの酷暑にてブログをしたためております。


昨日も北浜のオフィスに顔をだし、夕方を過ぎてからは某社顧問の男とサーファーの上仲くんをお連れして画廊喫茶フレイムハウスへ向かいました。


以前、某社顧問の男を知人からご紹介いただいたとき、彼がカフェの経営コンサルタントをしていたということを僕が覚えていたので、一度、お店を見ていただきたかったのです。


お店に到着してみると、お客さまがすでにくつろいでおられまして、そのお客さまより東京土産のえびせん(柚子風味)と、「亡命ロシア料理」という本を含む数冊をお店に寄贈いただきました。ただ、自分が読みたくなったときにはまた取りに来るとのこと。なるほど、書庫代わりにもいいお店かも知れません。彼女自身、小説の登場人物のような名前をしていらっしゃるのです。


せっかくなので、某社顧問の男、上仲くん、洒落た名前の女、そして僕で画廊喫茶フレイムハウスの展望を論議のキッカケとして、そのままカフェの歴史やコーヒー文化(エスプレッソはどのように日本に入ってきたのかなど…)について話しはどんどん掘り下げられました。


そのうち、ハイタッチの男こと黒ずくめの冷泉さんがやって来られ議論の席に自然に混ざります。


フレイムハウスでのイベントに話しが及んだとき、洒落た名前の女がこういいだす。


「私、架空読書の会をしてみたいんです」


「カクウドクショ…?」、女以外の全員が顔を見合わせる。


「ありもしない本について、みんなで語りあうんです」と女は補足説明をしてくれる。なるほど、ここへやってくる酔っぱらいたちなら、幾らでもできそうなイベントである。


「つまり、適当に本のタイトルをつけて、それの読後感想をみんなで語り合うという会ですね?それは面白そうだ」と皆でやってみるが、すぐに笑いの絶えないくだらない架空読書の会ができた。


洒落た名前の女がいう。


「私、第二章からが好きなんです」


僕が応答する。


「ああ、主人公の西村が離婚してからだね」


冷泉さんが、すかさず反応する。


「阿守さん、どっち派でした?」


某社顧問の男も鋭くメスを入れてくる。


「作家の円城寺さん自身が童貞なのかゲイなのかって、一時期は議論の的になってましたけれど、そのどちら側として見解に立つかでも評価は分かれますよね」


上仲くんは聞き役としては最高のゲストだ、次はどんな架空感想がでてくるのかを好奇の目で周囲を見渡す。自分よりも10も20も上の大人たちが、ありもしない本について熱く語っているのだから、これは奇異であろう。


そうこうしているうちに、僕と冷泉さんのタバコが切れてしまったので、二人で近くのコンビニへ買い出しに行くことに。版画家の柿坂万作さんより、「阿守さん、氷も買うてきてください」と申しつけられているとき、ガチャと店の締まりの悪いガラス戸が開き、いちげんの女性が入って来られた。


僕と冷泉さんがコンビニから戻ってくると、いつの間にか彼女も会話に加わっており、話しは架空読書から旅行代理店「てるみクラブ」の破綻についてとなっていた。キャッシュフローがどれだけ大事なことなのか、顧問の男と洒落た名前の女、そしていちげんの女が上仲くんに説明している。


やたらと金に詳しいし、上仲くんへのアドバイスが素人じゃないと思って聞いてみると、いちげんの女は税理士事務所の代表取締役であり、それを聞いて「どうりで…」と腑に落ちた。


寺社仏閣税務などを専門的に扱う彼女自身も、相当な神社マニアだという。


「こういうみなさんのいるところで、訳のわからない私の趣味についてお話ししても…」と言葉を濁していたが、冷泉さんと顧問の男が許さない。


「こういうところだからこそ言いましょう」と口を揃える。


「ちなみにバカっぽい話しですいませんけれど、あなたのお好きな神社ベスト3を後学ため僕たちに教えてくれませんか」とは僕の発言。


「序列も私のなかでいろいろ入れ替わるので…、なかなか」と正直なところをいう税理士の女。


「もちろん序列じゃなくて構いません。お好きなところを三つ掻い摘んで教えていただければ幸いです」と一応ことわると、彼女は自分的なベスト3を教えてくれた。


同席していた誰一人、そのうちのどこもわからなかった。


ナンバーワンは丹後の神社だった、僕が上仲くんに補足説明する。


「丹後地方は行政区分としては京都になっているけれど、元々は違う文化圏の国だったのだよ。丹後の小さな神社か…、もしかしたら徐福と関係があるのかも知れない」と僕がいう。


「徐福!!」と仰天した声をあげて、税理士の女が目を丸くする。自分の好物を見つけたときの子供の目である。


「徐福ってなんですか?」と上仲くん。


「徐福っていうのは、ものすごく簡単に説明すると、秦の始皇帝から不老不死の薬を探してくるよう命じられて、日本に渡来してきた人の名前。丹後半島のどこかに辿り着いたという伝承があるよ」


「…不老不死の薬なんてあるんですか??」と不気味そうな顔で問い返すのは上仲くん。


「アレ、なんと言ったかな…。あなた思い出せません?」と僕は税理士の女に助けを求めるが、税理士の女も思い出せずにウーンとうなる。


「ホウライだ!思い出した!確か蓬莱(ホウライ)じゃなかったかな」と僕が思い出す。


冷泉さんが重い口を開く。


「上仲くん…、殴り合いしましょ」


税理士の女がウイスキーをストレートであおる冷泉に構わず発言する。


「それとか、日本の昔のことは竹内文書に記されてますから」


「ええっ!竹内文書!?あんなの読める人がいるんですか!?」とは仰天したのは僕。


「はい、日本で数人、古代文字を解読できる人が、確かにいます」と、いたって冷静沈着な彼女。


「でも、竹内文書は偽書だって評価もありますよね?」と、僕は自身の疑問をぶつけてみる。


「いえ、偽書ではありません」と彼女は言いきる。


これは面白い話しになりそうだ。


僕もこの際だからと心の奥に半開きにして閉まっていた、北浜自治州の話しを持ちだす。某社顧問の男はすかさずアイデアをくれた、神社マニアの女は目を輝かせながら「いいですね!」とこちらの軽挙妄動に付き合ってくれる。


店のテーブルにはいつしか、ミックスナッツがひとつの皿へ盛られていた。


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by amori-siberiana | 2017-08-24 16:08 | 雑記 | Comments(0)


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