2017年8月28日(月) ◆ワシ、予言者ですねん

こんにちは、北浜にぽつんと建つ猫のひたいのような小さなお店。画廊喫茶フレイムハウスの阿守です。


昨日の日差しは厳しいものでしたが、吹きつけてくる風に秋の気配を感じました。この風があと少しもすれば、冷たくなり、冬眠という習慣を母体のなかに捨て去ってきた人間という種族に対してイヤがらせのように凍えるような風を送ってくるのかと想像すれば、今の熱気も名残惜しいものです。


さて、昨日の画廊喫茶フレイムハウスではタッキー国王杯のモノポリー大会が開催されました。お客さまも沢山きてくださり、無事、盛況のままに終えることができました。ご来店のみなさま、ありがとうございます。


タッキー国王も閉店後に「モノポリーはもう一戦したかったですね」とご満悦の様子であり、会計のときにも「僕、はじめてこのお店で適正な飲食会計の支払いができた」と驚いておりました。つまり、これまではボラれていたということを言いたいのでしょうが、人聞きの悪い話しです。


画廊喫茶フレイムハウスはいつも明朗会計。日本中のエンゲル係数を下げることのみが、この喫茶店の拠ってたつところ、大義名分なのですから。


モンゴル→北京→北浜へと来られたタッキー国王は、キャリーバッグを引きずりながら
、各国の気候にあわせるためでしょう、日本の今の気候から比べると、とてもおかしい格好で来店してくださいました。少し遅れてくるところが、人気者の証拠です。


予定時間を45分ほど過ぎたころ、モノポリーは5名で行われました。


タッキー国王、ミスター上仲、ベトナム人のタム、一般参加の女、そして総帥。


序盤は静かにゲームは進んだが、ある程度、プレイヤーが土地を持ち出すと各自が交渉に動き出します。モノポリーというゲームにて勝利するには、ひとつのエリアを買い占めることが必須。しかし、基本的にサイコロ運でゲームは進行するので、お目当ての買いたい土地に止まれないことがよくあります。そういったとき、自分の欲しい土地を持っているプレイヤーと交渉の場をもうけて、手に入れたりするのです。


総帥が、タムくんに交渉します。


「タムくん、あなたの持ってる赤い色の土地と空色の土地。これは僕と持ち合いになっているから、お互いのメリットのために交換しませんか?」


日本語があまり得意じゃなくモノポリーのルールすらわからないタムくんは、オロオロする。これは好機と総帥が英語で畳みかける。


「タムくん、僕には近い未来におけるお互いの繁栄が見えている。ここはメリットしかないので是非とも交換して欲しい。赤色の土地がいいかね?それとも空色の土地がいいかね?君の選択次第だ」


タッキーが凄まじい勢いで英語にて割り込んでくる。


「タムくん!ダマされたらダメですよ、もっと良いプランが僕にはある!タムくん!僕のプレゼンテーションを聞いてくれ」


それを皮切りにゲームはスピード感をまして、駒を進めるよりも交渉がメインになってくる。しかもなぜか英語メインになっている。薄暗い部屋でテーブルを目の前に殺伐としたなか、異国のことばが血気盛んに飛び交うのは、映画「ディアハンター」のワンシーンのようだった。


総帥がトイレに行ってるあいだに、タッキーがここぞとばかりに猛烈な交渉をタムくんへ持ちかけ、詐欺的手法で黄色のエリアを独占する。鬼のいぬまに洗濯とはこういうことか。


一般参加の女が不幸にもタッキーの土地に足を突っ込んでしまい、一発で総資産の70%ほどを失う。タッキーは自身への支払いに苦しむ彼女の土地を自分が高値で買い取ることで、彼女が破産しなくていいように首の皮一枚で生かす。


生きながら死んでいるようなプレイヤーを救うフリをして、実際にはいつ仕留めようかと考えるのに快感を得ているのは、なにもタッキーに限ったことではなく、世の中の縮図であろう。


「敵対買収(M&A)の基本は勢いとタイミングですから、いけるときには買う、ですよ」と満悦そうに語るタッキー。


タッキー以外のプレイヤーは独占エリアがないので、ここで対タッキー戦略を残存プレイヤーで練る。


総帥は自分のツタない英語力ではタムくんが調略できないことを知り、上仲くんに自分が画策する交渉を成立させるよう、総帥とタムくんとの仲介を頼む。


「阿守さんの交渉にタムくんを応じさせればいいんですね、わかりました。それで僕への見返りはなんですか?」


最近の若者は抜け目がない。背に腹は代えられないので、上仲くんに成功報酬として彼の欲しがっている土地を与えることを約束。上仲はタムに「阿守さんからの提案が現時点ではベストであろう」と甘言を伝えて、交渉は成功する。


スクランブル交渉により、三者が独占エリアをもつことになった。


が、ときすでに遅し。自分のエリアに先行投資してキャッシュがなくなったプレイヤー各人が運悪くタッキーのエリアに止まり、巨額を支払わされ、タッキーは苦労せず大金持ちになった。


上仲くんがいう


「…なるほど、こういうのが黒字倒産ですね。キャッシュフローの大切さを身をもって知りました」


結局、モノポリーはタッキーの大勝利に終わる。おめでとう。


そのあと、小休止してから、店内のみんなで「人狼ゲーム」をすることになった。ゲームを知らないものも半強制的に参加させられる。


9月28日に北浜のオフィスで行われる「北浜人狼」のゲームマスターに指名されているので、練習がてらお客さまにお付き合いいただく。おかげさまで、随分とゲームの進行についての不安は解消されました。


ゲーム終了後、アラタメ堂のご主人よりお借りしている人狼ゲームに必要な紙製のカードを確認してみると水滴によってヘロヘロになっているものが数枚ある。確かに酒場において水分は必要不可欠なものだが、一体、どこで…。


テーブルを調べてみると、冷泉さん(ハイタッチの男)とタッキーのテーブルの上が何故かビチャビチャ。犯人を探すのは案外、簡単だった。


その晩、なぜか夢に版画家の柿坂万作さんがゲーム中にいったセリフが何度か出てきた。


「ワシ、予言者ですねん…」


「ワシ、予言者ですねん…」

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by amori-siberiana | 2017-08-28 12:26 | 雑記 | Comments(0)


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