今回の画廊喫茶フレイムハウスのイベントは、女将軍三部作(トリロジー)。


第一部:【吟遊詩人 Alcea is Sleepy】


ギターを弾き、ハープ(竪琴)を弾き、自作の歌をうたえば、平気な顔をして昭和歌謡をうたう。


そのボキャブラリーの及ぶ範囲は秋の空のように広大で、まさに歌謡Wikipediaである。


真夏の最中、ふらりと画廊喫茶フレイムハウスに現れた彼女の名は、「Alcea is Sleepy(アルセア・イズ・スリーピー)」という。


一杯のコーヒー代しか持たずにやってきた彼女は、その歌声で酒と多少の食事を手に入れて、そして忽然と消えた。あとに残されたのは、彼女の歌声の残響を追い求める酩酊者ばかりであった。


彼女が暗い曲を歌えば、聴衆はソドムとゴモラの壊滅を知り、彼女が明るい曲を歌えば、聴衆はそこにエウテルベーの存在を知る。


彼女がカントリー・ロードを歌えば、聴衆は狂熱して、自らのなかに生きる喜びを見い出す。狂乱と静寂の両方を持ち合わせて簡単に時間や場所を操る彼女は、まさに吟遊詩人である。


画廊喫茶フレイムハウスが太鼓判を押して、拝み倒してようやくイベントへの出演に漕ぎつけた「Alcea is Sleepy」の船出。


彼女の描く壮大で緻密なファンタジアを是非、ご堪能ください。


入場料などの別途料金はありません。吟遊詩人さんの交通費と食費をみんなで割れるぐらいの寄付があれば、それで十分です。


お問い合わせは 


◆takaoamori@yahoo.co.jp


Alcea is sleepy


◆https://alceaissleepy.bandcamp.com/album/l-bverum-initus-et-exitus-saeculi


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【画廊喫茶フレイムハウスの今後の予定】


◆9月10日(日) タッキー国王杯 第二回モノポリー大会 /※予約不要


◆9月15日(金) ジプシー・スウィング・ジャズ・ギター演奏会 /※予約不要


◆9月16日(土) てつやの挑戦状 アラタメ堂の主人が仕掛けるカードゲーム大会 /※予約不要


◆9月19日(火) ガエル・ガルシア・ベルナル四重奏団 /※9月12日の正午より予約受付開始(先着20名~25名)


◆9月30日(土) 吟遊詩人 Alcea is Sleepyの歌声とは /※9月23日の正午より予約受付開始(先着20名~25名)


◆10月01日(日) 【〓SECRET〓】 /予告:ガハハハ

◆10月07日(土) 【〓SECRET〓】 /予告:アハハハ

◆10月08日(日) 【〓SECRET〓】 /予告:王子の帰還 アヴァロンの秘法(前編)

◆10月09日(月・祝) 【〓SECRET〓】 /予告:王子の帰還 アヴァロンの秘法(後編)

◆10月10日(火) 【〓SECRET〓】 /予告:新進気鋭の小説家とマジに会える!触れる!恋の予感。ぎっくり腰のアイツにびっくり大作戦。ミスマッチ・デスマッチ・近藤マッチ。


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by amori-siberiana | 2017-09-09 22:53 | イベント | Comments(0)

こんにちは、北浜は画廊喫茶フレイムハウスにて、猫のひたいのように小さな店を経営する阿守です。秋風が涼しく吹き抜けて、土曜日の北浜は人もまばらで静か。道端にはどこへ行けばいいのかわからない外国人観光客がウロウロしており、普段の大勢の会社員がいないことで、外国人の数は増えていないのですが、ウロウロがひときわ目立っている状態。


金曜日のこと、つまり、昨日のこと。


ヒゲの男は南船場のパン屋「き多や」へ立ち寄りバゲットを抱えて北浜のオフィスへ行く。ちゃっちゃかちゃっちゃかと仕事を適当に切り上げて、版画家の柿坂万作の居城、「画廊喫茶フレイムハウス」へ向かう。


店に行ってみると、青いカーデガンの女と7~8年給料の出ていない女がお茶をしていた。7~8年とはなかなかのものである、ウイスキーもそれくらい寝かせれば、いっぱしのものになるであろうと、ヒゲの男はぼんやりと考える。


彼女たちは一旦、青山ビルにあるギャラリーへ行くため店を出る。すると宗教画のモデルの女がやってきて、短時間の滞在であるのに常人の一週間分の酒をひとりで飲みだす。


しばらくして、先述の二人が店に戻ってくる。ヒゲの男は今月の19日の演奏に備えて、お客がいようがいまいが関係なく一心不乱にギターの練習をする。万作は壁画に取りかかる、まったくもって喫茶というよりはアトリエである。


すると、締まりの悪いガラス戸が開かれ、吟遊詩人の女が友人のベレー帽をかぶった異国風の女を連れてやってくる。吟遊詩人の女は大きなグリーンのバッグを抱えている。


バッグを開け放つと、そこには小型のハープ(竪琴)が入っていた。万作とヒゲの男は珍しそうに楽器を見入っている、「ちょっと弾いてみてもらえませんか」とヒゲの男が彼女へことばを発したが、これは何もヒゲの男固有の意見ではなく、その場にいた誰もが考えていたことを代弁しただけである。


吟遊詩人の女はハープを特徴ある指運びで演奏しながら、物語を紡ぎだす。


竜と人間が争っていた時代の話しが、ハープの音色とともに聴衆の耳へ運ばれてくる。ナイロンの弦が空気を震わせ、それが水面の波紋のように拡散しながら店内に響く。インターネットと違うところは、それが炎上しないところだ。


地底人のような声の男、常連のガルパンの男がやってきて、ハープに興味津々であるところを示す。


「あの手がいいですねぇ」とはガルパンの男の感想。静かにうなずくのはいつの間にか来店されていたグラフィックデザイナーの男。


聞くところによると吟遊詩人の女の友人も歌をやるとのこと、是非、一聴させていただけないかとヒゲの男はベレー帽の異国風の女に頼み込む。


異国風の女はギターを片手にイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」を歌いだす。これはまた見事な歌声、吟遊詩人の知り合いにはこの高いレベルの音楽家がゴロゴロいるのかと思うと、随分と恐ろしくなってくる。


この異国風の女はヒゲの男よりも一回り年齢が下であるが、ヒゲの男が知らない一回り上の世代の外国の曲をよく知っている。つまるところ、彼女からすれば二回り上の曲をレパートリーとして持っているのだ。クイーン、ディープ・パープル、TOTO、クラプトンなどなど。


吟遊詩人の女と異国風の女は、地底人のような声の男より、音楽への貢物としてビールをそれぞれ一杯ずつおごられる。


一曲だけで終わるわけはなく、そこから終電まで二人は歌うこととなった。常連の不思議な女と、そのボスが二人の歌い手と入れ替わるようにやってきた、冥途の土産ということで異国風の女は帰り際に、本日、三度目の「ホテル・カリフォルニア」を歌うこととなった。


異国風の女がその気風のよさで頑張ってくれたことにより、吟遊詩人の女は「カントリー・ロード」を一度口ずさむだけでよかった。持つべきものは友である。


彼女たちのテーブルには、シェフ兼版画家の柿坂万作が腕をふるった、風の谷のナウシカのオウムみたいな外観の料理が運ばれてきていたが、どのような味だったのか二人に感想を訊くのを忘れてしまった。


吟遊詩人の女は「竜と人間が争っていた時代の物語」を組曲(4曲)として持っている。


ハープとギターによって紡がれるストーリーの一部始終を聴いてみたいものだ。


そして、万作の描くドラゴンなる生き物も壁画で見てみたいものだが、いかがなものだろうか。


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by amori-siberiana | 2017-09-09 12:47 | 雑記 | Comments(0)

こんにちは、北浜にある猫のひたいのような小さな店。画廊喫茶フレイムハウスを経営する阿守です。日々、喫茶店に集う人のことをブログに書いていくだけのダイアリーとして開設しましたが、集う人たちが変人ばかりなので、マッドネスな印象があるのは否めません。

今後ともどうぞよろしくお願いします。


この木曜日のこと、ヒゲの男は北浜のオフィスでいつものようにコーラを飲んでいた。スタイルのよい冷えたコーラ瓶を冷蔵庫から取り上げ、栓抜きで王冠を剥ぎとり、そこへレモン果汁を垂らして飲むのがヒゲの男の矜持である。


コーラ瓶を持って自分のデスクに戻ってくると、アラタメ堂の主人が声をかけてくる。


「阿守さん、少し、時間あります?」


「ええ、時間なら幾らでもあります。どうかしましたか」


「実はね、新しいゲームを手に入れたんですよ。これをやってみたくてね」


アラタメ堂のご主人の目はキラキラと輝いている、そんな目で見られてノーといえる日本人がどこにいるだろうか。その話しの流れのまま、三人は画廊喫茶フレイムハウスへ移動することになる。


三人…?


あと一人は誰?となるだろう。当然だ。


隣の席で起業の準備をしているサーファーの上仲青年、彼がアラタメ堂の策略によって、半強制的にフレイムハウスへ連行させられることとなったのだ。起業までの道のりは遠い、頑張れ上仲。


店には版画家の柿坂万作、そして常連の不思議な女とガルパンの男。そしてテーブルを囲みゲームに興じる三人の男たち、雨降りの静かな時間が流れた。


そういえば…。と、ヒゲの男は自分の小学校時分のことを思い出した。


雨の日、校庭が使えないとき、当時の担任だった岡田先生は教室でボードゲームに興じることを許してくれていた。それ以来、これまでうっとうしかった雨の日は、ヒゲの男にとって特別な意味合いを持つようになった。


将棋の強い先生であった。どんな手を打ったとしても軽くいなされたが、ヒゲの男の友人でパキスタンと呼ばれていた少年が打った一手が凄かったみたいだ。


「いい手を打つな」と、これまでには見たことがないほど嬉しそうな顔をしていたメガネの先生の顔が思い出される。ヒゲの男は、先生を驚嘆させたのが自分ではなかったことを悔しがったが、パキスタンはそういう部分の才能は誰よりも飛び抜けていた。


しかし、パキスタンも将棋の駒を進めるのは得意であったが、人生という自分の駒を進めるのには随分と苦労したようだ。風の噂にもならない些末なことではあるが、ヒゲの男は旧友のことをいつも案じている。そんな彼が今では先生と呼ばれている、嬉しいことである。


今年に入ってだろうか、何年かぶりにパキスタンへ連絡をしたことがある。


版画家の柿坂万作が鋭意、製作中であるアレが理論的に可能なのか不可能なのかを彼に訊くためだ。ヒゲの知人のなかで物理とかそういったものに専門的な知識をもち、精通しているのはパキスタンくらいしかいないからだ。


パキスタンの電話番号がわからない。なので、彼の香川県の実家のほうに連絡をして電話番号を聞き出して、その番号にかけてみた。


ルルルルルル。呼び出し音がなる。


「はい、●●です」と、女性の声がする。これは多分、パキスタンの細君の声であろうとヒゲの男は理解する。


「もしもし、あなたの旦那の古い友人で阿守というものです。少し、あなたの旦那に訊きたいことがあるので取り次いでもらえないでしょうか」


「はい…、アモリ…さん?」


「そうです、阿守です」


「えっ!?もしかして…、失礼ですけれどシベリアンニュースペーパーの阿守さんですか!?」


「は、はい…。そのとおりですけど」


「ええっ!?どうして阿守さんが私の番号を!?ええ!?どういうことなんですか!?なんで?なんで?」


「いや、あなたに連絡をしたわけではなく、先ほども申し上げたのですが、旦那さんとは旧友で…」


「あ!はいっ!はいっ!すぐに代わります!あの…、私、ずっとシベリアンのファンでした、これからも頑張ってください」


「ありがとうございます、旦那さんを…」


世の中、なかなか面白いことが起きるものである。ヒゲの男とパキスタンのやりとりは、ものの10秒かからずに終わったが、それよりもヒゲの男はパキスタンには良い細君がいるのだなと安心した、そしてなによりこの珍妙なやりとりが愉快だった。


テーブルの上でゲームはどんどん進行していく。


姫や騎士、魔術師や大臣、伯爵令嬢もいれば僧侶もいる。それらが勢ぞろいしたテーブルの光景は、そこだけ中世に戻ったような空間である。将棋の盤はテーブルのそれよりさらに狭い、その盤の上で人生の栄光を勝ち取るものもいれば、壮絶な挫折を強いられるものもいる。盤ひとつの上にどれだけの人間が人生を賭けてきたのだろうか。


ゲームというのは宇宙の破片の一部なのかも知れない。


テミスの天秤の片方にゲームを置いたとき、その重さと釣り合うものは何であろうか?


ヒゲの男は自分の前に並べられた、カードを見ながら考えていた。


その思考をさえぎるかのようにハイタッチの男こと冷泉がやって来る。冷泉は手にバランタインの17年をさげて、それを店に寄付してくれるとのこと。


ブレンドしたスコッチウイスキーの逸品である。シングルモルトとは違い、その味わいはより調和がとられ、多種多様な文化の融合を味覚に訴えかけてくるようだ。


中世の宗教改革者として高名なマルティン・ルターはこういった。


酒と女と歌を愛さぬ者は一生をアホとして過ごすのだ


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by amori-siberiana | 2017-09-09 12:46 | 雑記 | Comments(0)


北浜のビジネス街にある、昭和レトロなカフェのブログです。            大阪市中央区淡路町1丁目6の4 2階上ル