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こんばんは、北浜にある猫のひたいのように小さな店。画廊喫茶フレイムハウスの阿守です。


昨日は何をしていただろうか…。毎日、同じ場所でいると昨日のことなのか、それ以前のことなのかわからなくなります。


そう、オフィスでブログとメニューを考えてからお店へ行きました。お店に行くと珍しく、すでにお客さまが二名きておられました。ひとりはシベリアン時代のファンのかたで、東京でも名古屋でも大阪でも博多でもお見掛けした女性で、ぎっくり腰の女。


もう一名は、先の20日に画廊喫茶フレイムハウスで行われたアイリッシュイベントにお越しくださっていた女性で、吟遊詩人の女。


ぎっくり腰の女のカラシニコフ銃のようなしゃべりは止まらない。ほんに頭の回転の速い女で、またいちいちしゃべることが面白い。僕も本来、寡黙とは無縁のたちなので知らぬうちに早口になってしまう。


そのうち、ガルパンの男と温泉マニアの男が来店されたが、ぎっくり腰の女は止まらない。すさまじい速度で写経するように、ことばが編み出されてくる。ことばで十二単が織れそうな勢いに敬服する。吟遊詩人の女といえば、僕とぎっくり腰の女のしゃべりに挟まれてるのに、「やかましい!」と二人を引っ叩くことなどせず愉快に聞いてくれている。


気がつくと吟遊詩人の女のグラスに入ったコーヒーが氷が溶けだして、二層になっている。僕はコーヒーが水で薄められて二層になっているのと、ブドウを乾かしてレーズンとするのには我慢がならない。


なので、彼女のこういってみる。


「そろそろコーヒーを追加で頼んでみてはどうか?」


「いえ、これで構いません」


「もう、コーヒーと水がグラスのなかで分離してるぜ?」


「私、給料日前でお金が900円しかないんです」


なるほど、そういうわけなら仕方がない。そういえば、吟遊詩人の女は歌をうたっていたのだと、先日のイベントの日にチラと聞いていたことを思い出した。


「すいませんが、何か一曲歌ってくださいませんか?オリジナル曲で」


僕のそうした無茶な願いに彼女はギターをもちステージにあがる。ステージというほどのものではないが、ここでは誰がなんと言おうがステージなのだ。


数秒、ギターのコードの確認をした彼女は歌いはじめる。


僕とぎっくり腰の女のしゃべりは止んだ。ガルパンの男はガルパンのゲームを停止にした、版画家の柿坂万作さんは全身の鳥肌がたった。


約束の一曲が終わったが、四人の聴衆はまだ興奮が冷めない。


「すいませんが、もう一曲、いやできるだけお願いできますか?」と四人を代表して僕が彼女に伝える。


四人ともが歌を聞くにふさわしい位置に陣取る。唐突だったので不意を突かれたのかも知れない、次はしっかりと聞こうという姿勢だ。


そこから彼女は歌い続ける。


いや、参った、四人の心に響く歌を彼女はスキルとしてもっていたのだ。万作さんがいう、「ええと…、彼女、歌をうとうた瞬間にいきなり別人がおりてきたような感じでしたわ。ワシ、全身に鳥肌が立っとりますもん」。


ぎっくり腰の女は「音楽ができるってええな!」と嫉妬と敬意の入り混じった、ご機嫌なのか不機嫌なのかわからない反応をする。


しまいには、フレイムハウスの歌(仮)まで歌ってくれたのだ。


【Em】→【G】→【Cmaj7】→【B7】※グレゴリオ聖歌のように


万作はメシを食う
万作はメシを食う
万作はメシを食う
万作はメシを食う


マンサク、マンサク、マンサク、マンサク…


柿坂万作 Say I Love You
柿坂万作 I Need You
柿坂万作 Say I Love You
柿坂万作 I Need You


「阿守さん、はやくここで彼女にライブしてもらいましょう」


僕はガルパンの男からはじめて、そのようなセリフを聞いた。吟遊詩人の突然の登場に沸き上がった夜だった。常連の不思議な女が不在だったのが、とても惜しかった。


吟遊詩人の女は小型のハープも、弾きながら歌えるのだそうだ。見たい。
是非、「Bard's Song」とか歌って欲しいものだ、僕の知り合いの新進気鋭の小説家などは歯をガチガチさせながら狂喜することだろう。


時系列が前後するが、ランチは保険の外交員のおばさまたちが、時間つぶしに昼間っからビールをあおってくれたおかげで、売り上げは順調でした。





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by amori-siberiana | 2017-08-23 17:59 | 雑記 | Comments(0)

版画家でありシェフの柿坂万作氏がその類まれな創造力にて生み出した、傑作のレシピを厳選メニューとしてお客さまにお出しさせていただきます。


お店にはメニュー表のようなものはありません。これは決して怠惰だということでも、気まぐれだからということでもなく、日毎に変わる仕入れの状況によるものです。


是非、お越しの際には柿坂氏に「今日はなにがオススメですか?」とお尋ねください。


※仕入れの状況とは=結局、シェフのその日の気分です。


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【Boisson】


●Coca ----- 400円
●Ginger ale  ----- 400円
●Jus d'orange  ----- 400円
●Jus de pamplemousse  ----- 400円
●Perrier ----- 500円
●Café ----- 500円
●Café au lait ----- 500円
●Cocoa ----- 500円

●Bière ----- 500円
●Saké japonais /Shochu ----- 500円
●Vin blanc ----- 400円
●Whisky ----- 600円から


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【Carte】


●Réputation Omelet Riz ----- 600円
●Le riz au curry qui est à peine à voir ----- 700円

●Yakisoba sentimentale ----- 700円
●Yakiudon sentimentale ----- 700円
●Ethnie froide (★) ----- 700円
●Soumen à la princesse ----- 700円
●Pâtes irréel ----- 700円
●Pâtes peperoncino ----- 500円
●Pâtes napolitaine ----- 650円

●Yakimeshi jaloux ----- 600円
●Riz au poulet ----- 650円
●Cuire au thon ----- 700円
●Zarusoba fanatique (petit sushi) ----- 700円


※ランチの場合はCaféとCafé au laitは、なぜか200円引きです。
★はシェフの今シーズンの新料理です。

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◆苦手な食材がある場合はシェフか総帥にお申し付けください。
◆消費税・サービス料を含みます。
◆やる気しかありません。

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by amori-siberiana | 2017-08-22 18:51 | メニュー | Comments(0)

こんばんは、キタとミナミのあいだに位置する、本町よりもほんのちょっぴり雰囲気の違う町、北浜で猫のひたいのような店、画廊喫茶フレイムハウスを経営している阿守です。

画廊喫茶フレイムハウスはその名のとおり喫茶店です。


お昼は11:30から15:00まで営業しています、そして夜は18:00から深夜まで営業しています、お酒は頼まれれば昼間っからでも出します。


画廊だからといって以前、心斎橋であったような、童貞くさい大学生や理想が高いだけのフリーター相手に美人のお姉さんが出てきて絵画の押し売りをするようなことはしません。一般のお客さまを唐突に殴り合いへ参加させたりはしません。版画家の柿坂万作さんが彫刻刀でお客さまの命を削るようなこともしません。


お客さま、安心してお越しください。


アフリカのサファリツアーや知床よりは危険が少ない場所です。


南堀江ネイブの女から「阿守さんのブログ読んでたら、一体どんなとこなんかわからんから、もうちょっとわかりやすいの書いたら」と助言をいただきましたので、上記を書かせていただきました。


昨日は足を引きずりながら北浜のオフィスへ行き、野暮用を済ませてからお店へ向かいました。ランチタイムの常連さんである「めったに喋らない男」が来店しており、版画家の柿坂万作さんのヌーヴォー・キュイジーヌ(創作料理)のひとつ、「冷やしエスニック」を食べておられました。


そのあとお店に忘れ物を取りにお客さまが見えられ、お帰りを見届けてから、僕は無性にたこ焼きが食べたくなったので日本橋へ向かいました。日本橋にたこ焼きの「会津屋」さんができたおかげで、美味しんぼを読んで育った自分としてはありがたい限りです。


僕が香川県で住んでいるとき、たこ焼きというのはなんら魅力を刺激するものではありませんでした。ところが、大阪に出てきて当時の南森町にて探検がてらブラブラしていたとき、ズボンのポケットのなかの小銭で初めて大阪のたこ焼きを食べ、その違いに驚きました。


こりゃ、とんでもない美味しいものだ、こんなものが世の中にあるのかと大袈裟な表現ではなく腰が抜けそうになりました。当時の鮮烈な味の記憶は20年たった今でも保存されていて、僕はあの日からずっとたこ焼きが好きなままです。


会津屋のたこ焼きはサイズ感が見事。


遅めの昼食を終えて、お店に戻るといつもに比べて随分と早い時間にもかかわらず、ハイタッチの男がフレイムハウスでハイボールをチェイサー代わりにし、ウイスキーをストレートであおっていました。


ハイタッチの男は酔いが浅いと全然ハイタッチを求めてきません。ハイタッチの男がハイタッチを求めてこなければ、彼を誰かに紹介するとき一体何と紹介すればいいのかわからなくなります。そして彼の苗字はその風貌と違って、とてもありふれているのです。


「苗字を変えませんか?」


「ええっ!?阿守さん、ぼ、僕の苗字のことを言うてるんですか?」


「はい、もっと変わった苗字、なんというか、俗っぽい名前にしませんか。詐欺師っぽく」


「…例えば、どんなですか?」


「そうですね…、冷泉(れいぜい)さんとか」


「れいぜい…、ごめんなさい、どんな字、書くんですか」


「冷たいにイズミと書きます、ジークフリート・冷泉とか、どうですか」


「はぁ…、阿守さん、ガンダムですか」


「いえ、僕はガンダムを知りません」


掘り下げても何らの発展もしようもない会話だったので、お互いに苦笑してその場は終わり、せっかくハイタッチの男が来ているのだからと、ミスター上仲を呼ぶことにした。


ミスター上仲は起業家になるため昼夜問わずに、その仕込みに奔走する男。先日のアイリッシュのイベントの日など、お客の立場ながらお店を手伝ってくれたサーフィン好きの好青年だ。演奏中はずっと店の扉のところで立ってくれており、イングランドの近衛兵のように店を見守ってくれていた。なんとも心強かった。


ハイタッチの男はいろんな会社に出入りする「IT参謀」。決して表舞台には姿を見せぬ男であり、自分は企業の「黒子(くろこ)」であるという。彼の名刺の裏にも「黒子」と書かれていたが、僕は最初それを見たとき「ホクロ」と読んでしまった。


企業のホクロでは、まったく意味がわからない。


酸いも甘いも知り尽くし、顧客すら殴り飛ばしてきた北浜のジョゼフ・フーシェであるハイタッチの男に向けて、上仲君が考え、そしてこれから現実的なものにしていく起業のプランニングをプレゼンさせてみせたかったのだ。


結果は予想どおりでズタボロ。雑巾のようになった上仲君がハイタッチの男に向かって「今日は聞いていただき、ありがとうございました!」と謝意を述べる姿は、見ていて気持ちのいいものだった。この青年は放っておいてもどんどん成長していくだろう。


「また、殴り合いしよや!」とハイタッチの男は笑顔で言い、左足を引きずりながら店を後にする。


そういえば、ハイタッチの男も僕と同じで、先日、格闘家の男に左足を蹴られたのだった。


「本当に痛いものなんですか?格闘技の蹴りって…」と僕の素朴な疑問からスタートした、自分を被験者にしての実証実験であったが、イエス、本当に痛かった。


二度とバカな質問はしないぞと誓った僕でした。

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by amori-siberiana | 2017-08-22 17:36 | 雑記 | Comments(0)

こんにちは、北浜にある猫のひたいのように小さな店。画廊喫茶フレイムハウスの阿守です。


最近の僕はシャレオツになり、ステッキなんかを持って北浜を徘徊しています。はい、「ぼ、ぼ、僕はバカだからおにぎりしか食べられないんだなぁ」ではなく、一昨日に店で行われたファイトクラブに参加した際、左大腿四頭筋を挫傷いたしました。でも、横断歩道を一回のターンで渡れないことなどを常日頃から経験することがないので、ご老人の気持ちがよくわかります。


いつしか自分も老人になるでしょう、老いとは考えようによっては惨めなものです。どれだけ慰めのことばを歴史上の偉人からとってきたとしても、それは根治療法にはならないのですから。僕は野心ある老人になりたいものです。3700才まで生きるつもりなので、まだまだ先になりますが…。


このブログをはじめて、一か月が過ぎました。おかげさまで、常に「ギャンブル」と「介護」のブログランキングでトップ5に入っているようになりましたが、一体どのような人たちが僕の駄文を読んでくださっているのか、なかなか興味深いものがあります。


どうぞ、引き続き、ひとりの男の人生における大博打をお楽しみください。


最近、日曜日のランチの時間にもお客さまが来てくださるようになり、とてもありがたいことです。昨日もいちげんさんの母娘、自己啓発セミナーに無理やり参加させられた不満顔の教師、見放題のとき星師匠と一緒に天井桟敷で観覧していた女がご来店してくださいました。


お客さまが帰られたあと、版画家で喫茶店の共同経営者である柿坂万作さんと経理をしました。


「あのー、これは阿守さんにいうとかないかんかな思うて、というかワシからのお願いがあるんですけど…」


「金ですね。要件を聞きましょう」


「ワシの自転車のカゴが壊れかけとるんで治したいんで、経費で出してくれんやろうか?」


「万作さんには給料をお渡ししていますけれど、自費で治さないのはどうしてなんですか」


「ワシ、店の仕入れ以外で自転車のカゴを使うないんで、これは店の経費で落としてええもんやと思うんです」


「あの、今回に限っては経費で出します。が、万作さんがどう思うかはご自由ですけれど。僕がこのお店に関わってからまだ一か月です。自転車のカゴはその一か月で極端に傷んだのではなく、ご自身の長年の使用による経年劣化が問題ではありませんか。とすれば、それまでに自転車を管理していた人が支払うべきだと僕は考えます」


「そういわれればそうですなぁ、ワシやなぁ」


店の経費というのは僕が神殿とか神棚にむかい、「万作より祈願があり候、天よ、我に経費を授けよ」と鐘を打ち鳴らして、かしこみかしこみ言ってれば天から降ってくるものだと思っているのだろうか。


なんとも「経費」というのは経済的に無責任な人にとって魔法の言葉に変わってしまうようだ。便利なものであるが、その便利さの根拠がどこにあるのか知らないと、ただの無節操になってしまうことを知っていただきたい。


そんなやりとりのあと、アイリッシュバンドのココペリーナのお二人が店にやって来られました。フィドルのさいとうさんと、ギターの山本さん。ホイッスルとバンジョーを弾く岩浅さんは私用が立て込んでおり本番前に合流するとのこと。


「いい空間ですね」とお二人から言っていただき、リハーサルが始まる。さっきまでの「経費」でクサクサしていた気持ちは驚くほどサッと消えた、抒情的な旋律と軽快なリズムを解き放ちたくて、フレイムハウスの窓を開け放った。経費の魔力よりも、音の魔力のほうが数段上なのだと知り、僕は嬉しくなった。


最近はお店でもココペリーナの音楽をよく流していて、耳になじんでいた。今、目の前でこの音楽を録音した人たち本人が演奏しているというのは、なんと奇跡的な高揚感をもたらすものであろうか。


本番前、無事に岩浅さんも来店され、沢山のお客さまにもきていただき、イベント自体も満員御礼の大盛況であった。万作さんもよく働いてくれた、お客さまからもいろいろな面において気遣いをいただけて、総帥は幸せであった。


ココペリーナの音楽は人生のようであった。


岩がゴロゴロしたところの雪解けの水、最初は小さい川。その小さな川に笹で作った舟を浮かべる、それがいくつもの支流をたどって、浮いては沈み、揺れてはひっくり返り。最後の最後には笹舟は海にでる。笹はいつしか塩によって傷み、海をあてどもなく漂う。


ただ、笹舟を運んだ水だけは、また雲となり山に戻って、川を流れ、海に出る。


アイリッシュ音楽特有のメロディーの反復、リズムチェンジ、曲の紡ぎ方、そして不器用なまでのユニゾン、その大胆で無骨な手法がより繊細さをひきたて、このメロディーを残そうとした先人の意志の強さを感じさせる。死ぬ間際の最期のひとこと。親から子へ最期にたった一言だけ残せるとしたら、どうするだろう。


そういったチャンスを言葉での表現に頼らず、一節のメロディーに込める人たちもいたのではないだろうか。


そんなことを考えながら、ココペリーナの演奏を聴いていた。


《一杯の紅茶のためなら、世界が滅びてもかまわない》


ドストエフスキーの書いたことばである。反体制派だということでシベリアに流刑されることになった彼、自分はもしかすると生きては戻れないかも知れない。そういった絶望的な不安のなか、流刑地へ行く途上、どこかの宿の主人の厚意によって飲むことができた温かい紅茶。


ドストエフスキーは紅茶を味わうことで、今までになかったほどの「生の実感」を得ることになった。


なによりの差し入れであっただろう。


ココペリーナの音楽は画廊喫茶フレイムハウスにとっても、同じであったことは確かだ。

ロシアの紅茶は小さいスプーンにジャムやはちみつなどを乗せ、それを舐めながら紅茶を飲むのが伝統だということを具体的に知ったのは、僕が大人になってからだ。


ココペリーナの皆さん、お疲れさまでした。また、近日中に演奏をお願いします。


ご来場のお客さま、ありがとうございました。誰か携帯電話(折りたたみ式のWHITE)を忘れていらっしゃいます。


演奏が終わったあと、北陸から亡命してきた男が僕にこういう。


「阿守さん、北浜自治州の件で自分にアイデアがあるのだ」と。


献策、ありがたく頂戴いたしました。


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by amori-siberiana | 2017-08-21 12:01 | 雑記 | Comments(0)

こんにちは、北浜にある猫のひたいのように小さな店。画廊喫茶フレイムハウスの阿守です。


昨夜のイベント【英会話で世界支援を OSAKA KITAHAMA ESL Meet Up!】にお越しくださいました皆さま、ご来店ありがとうございました。


シラフで日本人同士が英語で話すとなると、僕なんかは気恥ずかしくなってしまうものですが、ほんの少しのアルコールがあることで、そのシャイな気持ちもなくなり、なんとか自己表現を英語でしてやろうと思えたものです。


オーガナイザーの上仲君が用意してくれた、自己紹介のフォーマット文章やその日の会話の議題などにそって、スムーズにイベントを進行してくれるので、あっという間の90分でした。


僕もいつも時間が考えていることを、英語に置き換えてしゃべってみると、こんな稚拙で平坦な表現でしか自分のことを相手に伝えられないのかと、とんでもない不自由を覚えました。まるで手足を縛られて、日常生活をさせられているような窮屈さを感じました。


英語力を鍛えれば、この窮屈さはどんどんなくなっていくのだろうと思えば、自然とこれから英語を勉強していかなければと考えています。自分自身を語ることばを持っていないと、これほどまでに自分の存在があやふやなものになってしまうのかと、驚きもしました。僕たちは無意識のうちに、相手が発していることばの端々や表現のクセから、その人のイメージを作っているのでしょう。


会も終盤に差し掛かったころ、フレイムハウスの扉が開いて、ハイタッチの男が黒の作務衣の装いで入ってくる。ギャラリーの女にハイタッチを求めるが、「どうして私があなたとハイタッチしなくちゃいけないの、嫌です」と拒否されて、相当凹む。これは愉快な光景だった。


そしてその後、イベントをしてることなんてまったく知らない、会計士の男もいちげんさんとして店にやってくる。僕が英語での自己紹介のフォーマットを会計士の男に渡して、自己紹介を促すと、「なんで、英語…?」という絶妙な顔をして英語での自己紹介をする。この対応力、さすが。


イベントの時間を過ぎても談笑は止まらないが、神戸の女がバスの時間があるのでまず帰り、アイルランドへ留学する女、北陸から亡命してきた男、ギャラリーの女も夜も更けてきたことなので帰宅の途につく。


残ったのは、ハイタッチの男と会計士の男、そして上仲君と僕、版画家の柿坂万作さんだけとなった。


ハイタッチの男は周囲を見回して、上仲君に穏やかな口調でこういう。


「上仲君、僕をどついてください」


また、はじまった。ここ最近、男同士のくんずほぐれつばかりを見させられている原因のすべては彼である。


「ええっ?殴れませんよ、そんなことしていいんですか?まず僕は人を殴ったことがないです」と躊躇する上仲君の発言は社会人として当然の対応だ。


会計士の男が、それなら自分が殴ってみたいという。


どうぞとハイタッチの男が腹を差し出し、会計士の男の強烈なパンチが決まる。ああ、この会計士は格闘技をしてるなというのが僕の目でもわかる。


すると、店の階段を誰かが上ってくる音がする。


入ってきたのは、これまたいちげんさんの北浜でIT会社を経営する男だった。また、とんでもないときに来たもんだな僕は思う。万作さんは彼にむかって「別に殴りあいに参加せなあかんわけやないですから」と遠慮がちに彼へ伝える。


彼は目の前で殴り合いを見ながら、ハイボールを飲んでいる。いつしか殴り合いには上仲君も加わっている始末だ。


「すいません、いかせていただきます!」、「来い!」、「うおおおー!」、「次は俺だな!」、「押忍っ!」、「うごぉ」…。という言葉が繰り返される、魂のルフランだ。


こんな茶番を見させられて、この経営者の男は何を思うのだろうか…。


突然、「すいません…」と経営者の男がいう。


みんなの注目が男に注がれる、次に何のことばを発するのか静聴の面持ち。


「僕の腹も殴ってくれませんか」と経営者の男が続けていう。


…なんと!ブルータス、お前もか!


ハイタッチの男が「ようこそ、ファイトクラブへ」という笑顔で経営者の男の腹を殴る。そのあとは攻守交替となり、次にハイタッチの男の腹を経営者の男が殴る。


経営者の男の重たそうなパンチを受けたハイタッチの男がこういう。


「あなた、鍛えてますね」


経営者の男は「はい、柔道で近畿3位でした。今もコナミスポーツで鍛えています」と答える、店内は「どうりで…」という反応をする。


万作さんがハッとしたような顔で経営者の男をみて口を開く。


「ワシ、このかた、何回かスポーツジムのシャワー室で見かけたことありますわ」


万作さんは家に風呂がないので、コナミスポーツジムの会員となり、そこでシャワーを浴びているのだ。版画家と経営者の男は互いが何時ころにジムを利用しているのかなど、意見交換していた、どうやら二人が重複する時間帯があるようだ。


「ああ~、やっぱりワシの思っとった人や、体毛濃いですよね」


「いや、濃くありませんよ」


万作、なんの話しなのだ、聞いているほうが気色悪くなってくる。


エリック・サティの「ジムノペディ」は古代ギリシアの祭りにて、青年がたわむれる模様が描かれた壺からインスピレーションを得たそうだ。


現代のキタハマにて、中年がたわむれる模様をみさせられたら、サティはどんな曲を書くであろうか。


気がつけば、僕以外、全員が腕相撲を延々と繰り返していた。そして聴こえてくる「近大節(※近畿大学の体育会系の歌らしい)」、地球はしっかり自転しており、北浜の夜は容赦なく暮れていく。


そうそう、僕が目指していたカフェはこんなカフェだったのだ。な、わけがないだろうが!


今日の画廊喫茶フレイムハウスはアイルランド祭りじゃ!


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by amori-siberiana | 2017-08-20 11:58 | 雑記 | Comments(0)

画廊喫茶フレイムハウスが今回、自信をもってみなさまにご提案するのは、インド発祥の弦楽器シタールと打楽器タブラの演奏です。


シタール奏者に北インド宮廷音楽家の石濱匡雄さん。タブラ奏者に室優哉さんの両名をお迎えしての極上のひとときとなるでしょう。


シタールの石濱さんと僕はおよそ20年来の友人であり、香川県から大阪に出てきたばかりの僕にとって、最初の友人のひとり。


それなのにお互いのことは実は今となってもあまり知りません。


「知らず、知らせず、知ることを許さない」、という非核三原則のようなおつきあいで20年をやり過ごしてきました。


なので、これからの20年もそうなのでしょう。


そもそも僕がギターをおかしなチューニングで弾きだすキッカケになったのは、石濱さんのおかげであったりします。


9月02日の土曜の夜は是非、画廊喫茶フレイムハウスにて天上の宴をお楽しみください。


イベントは入場無料。音楽家さんの交通費をみんなで割れるぐらいの寄付があれば、それで十分です。


ご予約の受付は8月26日(土)の正午12時00分より。



お問い合わせは takaoamori@yahoo.co.jp



◆www.tadao.in/ (石濱匡雄さんのホームページ)
◆https://twitter.com/ishihama (石濱匡雄さんのツイッター)

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by amori-siberiana | 2017-08-20 10:14 | イベント | Comments(0)

こんにちは、北浜にある猫のひたいのような小さな店。画廊喫茶フレイムハウスの阿守です。


今日の画廊喫茶フレイムハウスは18時30分から20時00分まで、公用語が英語(English)になりますので、ご興味があられるかたは怖いものみたさついでにお越しください。


そして明日はアイリッシュバンド「Cocopeliena(ココペリーナ)」さんの演奏が19時頃からあります。こちらも当日、若干の席がありますのでフラリと遊びに来てください。入場は無料です。


さて、昨日は北浜のオフィスへコーヒーを飲みに立ち寄ったあと、その足でオフィスにいた同僚をつれてエイリアンさんのギャラリーに再訪いたしました。何かアイデアがあったわけではなく、魅力的なギャラリースペースを自分の身体に染み込ませておきたかったというわけです。


エイリアンさんと同僚と僕の三人で昼間からビールをあおりながら、具体的なプランや抽象的なプラン、北浜戦略、世界戦略、どうしようもないプランなどいろいろなことを談笑する時間、僕にとって愉快で実入りの多い時間でした。


そのまま一旦、千鳥足でオフィスに戻り、隣の席の男から「阿守さん、もしかしてお酒を飲みましたか?」といわれるので、無論イエスだと答えるとどうやら日中のオフィスには場違いなアルコール臭が漂ってて、非常に目立つとのこと。


なるほど…。では、さようならですと言い残して僕はそのまま北浜の青山ビルにある別のギャラリー「遊気Q」へ向かいました。時間にして17時頃、画廊喫茶フレイムハウスがオープンするのは18時~19時のあいだなので、まだ早くても1時間ほど暇があるのです。


さっさと店に行って掃除でもしてるがいいと思われるでしょうが、版画家の柿坂万作さんがフレイムハウスのシャッターを開けるまでは、合鍵を持っていない僕は入れないという顛末なので、知り合いのギャラリーで時間をつぶそうというハラ。


ギャラリー「遊気Q」に入ってみるとアジアのエキゾチックな服や雑貨、異国の匂いを封印したままのアクセサリーがところ狭しと飾られており、ギャラリーオーナーの女と托鉢僧のような女、そしてフェルト作家の女が談笑をしていました。暇を持て余している僕も談笑に加えてもらい、麦茶を飲みながら気になった服を試着しては脱ぎ、試着しては脱ぎを繰り返し遊ばせていただきました。


◆https://www.keimi.jp/yukikyu (ギャラリー遊気Qのホームページ)


現在の展示販売は8月16日~26日まで開催中です。是非、足を運んでみてください。


随分と居心地のよい空間だったので予想以上に長居をしてしまい、少し遅めにフレイムハウスに到着。万作さんは奥のテーブルで一心不乱に工作をしていました。


「ああ、阿守さんやったんですか、よかった。これの存在を知られたらワシ、国家権力によって殺されますよってね」と。


そのうち、偶然「遊気Q」で出くわした青いカーデガンの女、そして20年近くフレイムハウスに通い続けてくださるガルパンの男、万作祭のときに椅子を貸してくださったグラフィック・デザイナーの男が来店してきて、落ち着いた雰囲気の店内にてみんなで酒を飲んでいました。


僕がみんなで共有しているウイスキーボトル(タッキーが支払いをした小野さんの所有物)からショットグラスに酒を注ぎ込むと、ボトルが空になる。


さて、どうしようか。取り急ぎタッキーに電話をかけてみる。


「もしもし、阿守ですけれど、毎晩お疲れ様です。タッキーが主催する27日のモノポリー大会に参加したいという人が沢山いるけれど、タッキーの予定は大丈夫ですか?」


「はい!今のところ大丈夫です!いや、めっちゃ忙しくて今日も徹夜になるかもという勢いなんです」とはタッキーの返答。


「そうかそうか、いつもご苦労さんです。それで…、タッキーがお金を出した小野さんのボトルが空いてしまって、みんな飲むものが無くなって困ってるんだよ」


「…ごめんなさい、ちょっと意味がわからないです。つまり僕が自分で飲みもしないボトルをおろすということですか?」


「簡単にいえばそういうことになるね」


「あなた、絶対、最初のモノポリーの話題とかどうでもよかったでしょ」


「いやいや、あくまでモノポリーが用件の主題であって、ボトルの件は副産物のようなものだよ。これ以上、話しあってもラチが明かないから、もうボトルをおろしとくよ」


「ちょっと待ってください!あなたね、商売の根本原理からかけ離れてますよ。消費者が自己消費しないものに対して強制的に支払いを迫られるなんて、誰がどう考えてもおかしいじゃないか!」


「万作さん、タッキーからOKが出たのでボトルを下ろしてください!交渉成立です」


「畜生!このクソ野郎!」


この一連のやりとりによってフレイムハウスの店内は爆笑の渦に包まれた。念願の新しいボトルから注がれた酒は、バッカスの寵愛を受けたであろう甘美な香りを漂わせていた。これが勝利の美酒の味か。


少しすると、ドンドンドン…。


万作さんが「おっ、誰か来たな」と口を開く。


ガゴッ。建付けの悪い半締まりのガラス戸が開く。今、階段を上ってきたであろう外の男が恐る恐る店内を見まわして、こう言う。


「●●さん、いらっしゃいますか?」


●●というのは日本でそこいら中にある苗字であるが、この店の場合においてはそれは「ハイタッチの男」を指す。だが、一応確認のために僕が来客者に聞いてみる。


「それは全身黒ずくめの●●さんのことですか?」


「ああ、そのかたのことです。ここで合流するように連絡があったんです」とスーツケースを抱えた男は返答する。


「まだ来られてないので、奥の席で待たれたらどうですか?」と僕は促すが、彼は一旦店の外にでてハイタッチの男に連絡をする。どうやら、もう近くまで来ているとのこと。


5分後…。


ハイタッチの男、スーツケースの男、薬局の男、元プロサッカー選手の男が店にやってくる。それはそれはとんでもないテンションで入ってきては、壮絶な酒盛りがはじまる。


薬局の男が店にギターをあるのを見て、自分が弾くという。そしてギターを持ち、一般的なコードを弾くが、思っているような音が出ない。「あれ?チューニングが随分とズレてますね。俺、チューニングを合わします」と薬局の男がいう。


ハイタッチの男がそれを制する。


「お前、勝手に阿守さんのギターのチューニングを変えるな。これは阿守さん独自のチューニングになっているのだ」


「ええっ!そうなんっすか!?マスター、俺と一緒にセッションしてください」


マスターというのは多分、僕のことであろう。清水健太郎の「失恋レストラン」の歌詞を思い出して、少し笑えてくる。


♪~ねえ、マスター作ってやってよ、涙忘れるカクテル~


そのままギターのセッションへと流れ込む、これがなかなか面白かった。


「このマスター、だいぶヤバイっす、だいぶヤバイっす、これヤバイ感じの人っす」と薬局の男は連呼する。


「当然だ、お前のような奴が勝負できるような人ではないのだ」とハイタッチの男は薬局の男を容赦なくビンタする。なぜ、ビンタ?一体、何なのだこの男たちは?と腹がよじれる。


「痛っ!でも、俺、●●さんに殴られたっす!これ皆に自慢できるっす!ここまで飲みに付き合ってよかったっす!」


その言葉をきいてハイタッチの男は薬局の男に優しくこういう。


「よし、次は俺の腹を殴れ」


薬局の男はハイタッチの男の腹を殴る、次に元サッカー選手の男がハイタッチの男に促されて、黒ずくめの腹を殴る。薬局の男はそのままステージの上に半分、土下座の格好で酔いつぶれてしまう。


元サッカー選手の男は「俺も体育会系です、先輩を殴ったままでは気が済みません!だから次は俺の腹を殴ってください。そうしないと気が気じゃないんです」と妙な男気を見せる。さすがはサッカー選手だけあり、鍛え抜かれた筋肉は美しいものであった。


ハイタッチの男が遠慮なくサッカーの男の腹を殴る。ハイタッチの男が次は俺を殴れとサッカーの男にいう。延々と繰り返される酔っ払いの茶番劇にシラフで付き合うことはできないが、何度も何度も繰り返されるミニマリスムの寸劇に、バカバカしさと愚かしさを超えた、何かがあるような気がする。ハイタッチの毒が僕にも回ってきたのだろうか。


スーツケースの男はソファに腰掛け、その光景を微笑ましそうに見ながら静かに酒を飲む。家は箕面にあるらしいが、すでに帰る手段はタクシーだけとなっている時間。


常連の不思議な女が遅めにやってきた。その異様な光景をものともせず、普段のままに白ワインを飲む姿には女王クレオパトラの風格があった。


すると遅くにも関わらず、いちげんのジュエリーデザイナーの三人組も店にやってくる。


ステージには酔い潰れて万作さんの創作オブジェのようになった薬局の男。来客者など気にもせず延々と殴り合いをして笑いあう二人。


いちげんさんが、この光景をみてここの店をどう思うのかと、僕の好奇心はそそられて三人組の反応を待つ。


ジュエリーデザイナーの一人が連れに向かって口を開く。


「ね!やっぱり私の鼻は利くのよ、こんな面白いお店があったなんてね!間違いないと思ったのよ!」と。


おいおい、一体ここに迷い込んでくる人たちは、どういう感覚をした人たちなのだろうかと北浜の奥深さを改めて勉強させていただきました。まるで百鬼夜行である。


その夜、僕とハイタッチの男は腕を組んで途中まで一緒に帰った。


男同士で腕を組みながら、大切なものは何なのか、明日はどっちだと探して、彷徨っているのだ。


僕たちの後ろからサッカー選手の男と薬局の男もやってくる。彼らの会話が聞こえる。


「前を歩く二人は、いろんな意味でバケモンですよ」と。


とうとう僕も百鬼夜行の仲間入りと見なされたようである。


奈良県の天川村には特異な色をしたガーネットが発掘できる場所がある、僕はその場所を知っているが、まだ誰にも教えていないのである。

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by amori-siberiana | 2017-08-19 13:49 | 雑記 | Comments(0)

こんにちは、北浜の風雲児こと岩本栄之助をご存知でしょうか。大阪は中之島の中央公会堂のキッカケを作った人。株式の仲買人としては剛腕であり、さらには人情家で篤志家でもあった彼は北浜の地でなにを捉えようとしていたのかをぼんやりと考えてる、湿気と熱気が渦巻く今日この頃です。


北浜のおもしろさは、その地政学に根差します。


キタ(梅田)からも、ミナミ(なんば、心斎橋)からも滅法近い距離にありながら、公共交通機関の便はそれほど良くなく、白なのか黒なのかわからない人間たちが目まぐるしく流れ込んできては、闊歩往来する前述の街とは違い、ある一定の質量が保たれているような街。

それが、北浜という街です。


しかし、この北浜も今はホテル施設の建設ラッシュとなっていて、あちらこちらでトンカントンカンやっており、平日の昼は忙しいビジネスマンが大挙するコンビニでの長蛇の列を含めて、戦後復興の雰囲気すらあります。


さて、昨日はエイリアンさんのギャラリーへお邪魔してきました。「北浜には若者が必要なのよ!」という彼女のことばもあったので、職場から粋のいい若いのを一人連れて行ってきました。


全体が白で調和されたギャラリーは、清潔感とこれから何かが起きようとする期待感があり、屋上部にいたっては条件さえ整えば100人規模でビアガーデンをしながら、映画の上映もできるほどのスペースがありました。


ギャラリーの下の階は、サロン兼エイリアンさんの住居となっており、来客用に椅子は20脚ほどありました。


僕が画廊喫茶フレイムハウスの名刺をエイリアンさんに渡すと、「あんた、ここのギャラリーのプロデューサーって名刺も作りなさいよ」と言ってくださいました。エイリアンさんは近くの射撃バーによく行ってらっしゃるそうで、実物と同じくらい重たいライフル銃を「構え、筒!」して、乱射するのがたまらないのだとか。


還暦を超えても箕面の山でサバイバルゲームに興じるという彼女自身の個展を開いたら、さぞや面白いものになるであろうと考えましたが、それだと商売になりません。


三人で焼けつく日差しのなか、屋上に出ると予想以上に眺望がよく驚きました。エイリアンさんは東西南北を眺める僕、そして様々な角度から写真を撮る同僚を見つめながら、こういいます。


「私の本の発想はここで生まれたのよ」


「どの本のことですか?」


「タワーマンションの住人が違うタワーマンションの住人とお互いをのぞきあうってやつ」


「ああ、なるほど」


僕がギャラリーをどのように使っていくのかを考えていたとき、ここを物見やぐらとして立て籠もり、ライフル銃を構えたエイリアンさんが、ときどき双眼鏡で周辺を索敵する場面を脳内再生してしまい、おかしくなった。


◆10W gallery (www.10w.jp/)


そこは、北浜から確かにヒリヒリとするものを発信している場所。


エイリアンさんのギャラリーから撤退して、そのまま北浜のオフィスへ一旦戻り、画廊喫茶フレイムハウスへ向かった。


お店に入ってみると、版画家の柿坂万作さんと常連のガルパンの男がスマホで「ガンダム」の動画を見ていた。僕が来たのをみて、「あともう少しやったのに」と名残惜しそうにガンダムから離れる万作さん。まるで学級委員や風紀委員長がやって来たような扱いである。


「万作さんの作品ってどれくらいの点数がありますか?」


「ええと、どれくらいやったかな、まあまああるんやないかと思います」


そして、万作さんが三階からいくつかの作品をもってきて僕に見せてくださった。自分の作品だけでなく、自分が教えた生徒さんたち老若男女の作品もずっと大切にとってあるのである。


デッサン画、版画、パステルなど、版画にしている紙も良質の和紙であり、経年とともに良い具合に焼けていた。


「万作さん、最後に個展してからどれくらい経ちます?」


「うーん、そうやなぁ、この店はじめる前やから、7年くらいまえ違いますかねぇ」


「久しぶりに個展をしてみる気はありませんか」


「うーん、もうその気力はないなぁ、エイリアンさんとこ行ってワシの個展でもしよういうて焚き付けられましたんか?」


この思考のプロセスが万作さんらしいというか、なんというか、度し難いおっさんである。


「いや、そんな話しは一切出てません」


「へえ、ほんならどうして急に…」


「いや、音楽家は音楽を奏でてお金をいただきますけれど、版画家は版画をすってお金をいただくものではないかなと考えたんです。万作さんの版画を見てみたいという人も沢山おられますし、問い合わせも実際にあるから訊いてみました」


「ワシ、そういう絶好のタイミングを逃すのは得意ですねん(苦笑)」と卑屈な笑顔を浮かべる彼に対して僕は猛烈に腹が立った。なぜだかわからないが、猛烈に腹が立った。そのセリフの言い慣れた感覚に、憤怒したのだ。


「なら、そのまま、死ぬまで逃し続けましょう」と僕は万作さんにむかって平静を装って言い放ったが、その自分の呪詛のような言葉にも腹が立った。猛烈に腹が立った。心にある言葉が理性を簡単に飛び越えて、口から出たことに憤怒したのだ。


そのままお店でエゴン・シーレの画集を見ていたが、エゴン・シーレの絵画には相当前から腹立たしさを覚えていたので、僕の腹立ちは助長されるばかりであった。


腹が立つなら、店の雰囲気が悪くなるので、さっさと帰ればいいものを…、何故か僕は結構、遅くまでいてしまった。


昨日の反省のうえに今日がある。今日は27日のためにモノポリーをお店に持っていくのだ。

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by amori-siberiana | 2017-08-18 14:04 | Comments(0)

◆8月19日(土) 18時30分頃より


【英会話で世界支援を OSAKA KITAHAMA ESL Meet Up!】


入場料:300円(慈善活動への寄付にします)


http://framehouse.exblog.jp/25327456/


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◆8月20日(日) 19時頃より


【一杯の紅茶のためなら、世界が滅びてもかまわない Cocopeliena(ココペリーナ)の暴風よ】


入場無料 ※予約受付中 (残席:わずか)


http://framehouse.exblog.jp/25199426/


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◆8月26日(土) 20時頃より


【ジプシースウィングの世界 井上先生 VS 古池先生】


※入場料 2000円必要、予約不要


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◆8月27日(日) 19時頃より


【タッキー国王杯 モノポリー大会】  


※入場無料、予約不要


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◆9月02日(土)【〓SECRET〓】 /予告:天上の宴 極上の宮廷音楽を君に


◆9月19日(火)【〓SECRET〓】 /予告:《G》《G》《B》始終相談


その他、すべてのお問い合わせは


takaoamori@yahoo.co.jp まで!


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by amori-siberiana | 2017-08-17 16:24 | イベント | Comments(0)

こんにちは、北浜にある猫のひたいのように小さな店、画廊喫茶フレイムハウスの阿守です。朝遅くに「き多や」さんへ表敬訪問に行きまして、バゲットを抱えて北浜のオフィスへ出社し、今しがたパンを版画家の柿坂万作さんのところへ届けてきました。黒猫のジジも一緒です。


さて、昨日の夜のこと。


万作さんはいつものように工作に明け暮れて、テーブルの下は削られた木屑が散乱。ガルパンの男はスマホに目を落としたまま、ビールをあおり、僕は僕でギターの練習をしていました。お店というよりは、毎年のようにインターハイ出場など夢のまた夢という状態のなんらかのクラブの部室。


今日はこのまま来客もなかろうと思っていたが、そうではなかった。


まず、温泉マニアの男がやってくる。そしてその後、久しぶりに顔を出したのが、ギャラリー経営者で作家のエイリアンである。このあたりの人は彼女に敬意を表して「エイリアンさん」と敬称をつけて呼ぶ。その風貌は溢れる才気が抑えられずに、とても異質なオーラを放っており、地獄を見学して爆笑しながら帰ってきたようなふてぶてしさがある。


エイリアンさんが原案を出したドキュメンタリー映画は各方面で絶賛され、今でも日本のどこかを巡回上映している。


そして、順序が逆になっているかも知れないがギタレレの女が来店。ギタレレの女は「阿守さん、借金返済、おめでとうございます」との祝辞とともにミニマムサイズの給料袋と天の川ようかんを差し入れしてくれた。


さらに斥候の男もやってきて、エイリアンさんがボルネオのジャングル奥地へ行ったときの話しをみんなで聞くことになる。


「ジャングルの夜はやかましいのよ!ガッタンガッタン、キキキキー!そりゃあここらの工事現場のような音がするのよ」


ガルパンの男がいう「それって、金の採掘とかしてる作業音じゃないんですか?」


万作さんが口を挟む、「いや、ボルネオやったらルビーと違う?」


エイリアンはその全てをスルーして話しを続ける。


「それでね、ボルネオのジャングルの奥地にどんどんどんどん進んでいくでしょう!そこになにがあると思う?なんと、リーガロイヤルホテルがあるのよ!」


一同から「おお…」という声があがる。中之島にあるリーガロイヤルが商魂たくましく、ボルネオの奥地にまで触手を伸ばしていたことに呆れるような感嘆の声。


僕が口をひらく、「野獣なんかに遭遇はしなかったのですか?」


エイリアン、「ジャングルでは遭遇せんかったな、ジャングルに野獣なんておらんの違う?」


いやいや、あなたが遭遇しなかっただけで、絶対いるでしょうという反応を皆がする。


エイリアンはその反応を無視して続ける、「でも、そういえば夜になってジャングルを歩いたら、そこいら中で生き物の目が光るのよ。そりゃ光るってレベルじゃなくて、まるで都会のネオンのよう。町があるんじゃないかって光りなんだから!」


ボルネオの話しの途中で僕は自身のたばことミネラルウォーターが切れたのでコンビニに買いに出る。数分後、お店に戻ってくると話しはいつの間にか「豊田商事会長の刺殺事件」になっていた。ボルネオから豊田商事へと、どのような経路を辿ったのか僕は知る由もない。


全員を巻き込んでの話しは留まるところを知らない、夜も更けて、ギタレレの女が名残惜しそうに店をあとにする。エイリアンさんの話しは止まらない。


キッカケは北浜にできた射撃バーだった。


エイリアンがいう、「あそこの射撃バーで、何かの商品を撃ち落としたら100万円くれるっていうイベントをすればいいのに、そしたら行列よ!行列!」


温泉マニアの男がいう、「それって、法律に触れて取り締まりの対象になるんじゃないですか?」


僕がアイデアを挟む、「なら、発想をそのままに応用を考えましょう。パチンコ屋のように三点方式を用いるのはどうでしょうか」


一同がなるほどと、うなずく。


僕は話しを続ける。


「まず、射撃バーで撃ち落とした景品をもって、隣の喫茶店リヴォリで違うものと物々交換します。リヴォリで受けとった何らかをサロン喫茶フレイムハウスに持ち込んで、お金で買い取ってもらいます」


ガルパンの男がいう、「最終的な引換所には、古物商の認可が必要になるかも知れん」


エイリアンが僕のアイデアを推し進める、「サロン喫茶フレイムハウスで何らかのものをもらって、その足で画廊喫茶フレイムハウスにきて、万作さんの絵と交換する。絵なんて値段があってないようなもんだから、最終的にその絵を100万円で転売するという口実で100万円を受け取れるんやない?」


僕がいう、「万作さん、収入印紙が必要になりますね」


一同が爆笑となる。


それで最終的に交換した万作さんの絵を100万円で誰が引き取るのかということに関しては、誰も言及せずに話しはそこで終わった。…かのように思えた。


笑いも落ち着いたあと、ひと呼吸おいてエイリアンさんが口を開く。


「ヒリヒリと焼けつくような町にしたいな、歴史もある、暇を持て余した金持ちもおる、見どころも沢山ある。なのに北浜に足りんもんはなんやの」


僕が即答する、「英気を持て余した、金のない若者」


エイリアンは僕を指さし、口角を上げながら「正解!じゃあ、どうする」という。


僕は答える、「あらゆる事象において、その価値をつけるのは言葉です。文化や歴史や人生を記録するのも言葉であれば、有象無象の美醜云々に先駆けて必要なのがそれらについて語られる言葉です。言葉を失えば、人間は一秒前の自己の存在証明すら誰かに伝達することができません。なので、これからの若者や今の世代に北浜の文化を作らせるため、まずは言葉を編むにふさわしい土壌を提供するのが上策です」


エイリアンは爆笑しながら、「その先は!」という。


僕は「はい、北浜は大阪市から独立して、文芸的な立ち位置では自治州としての確固たる地位を築きます。大阪という地名を知らない外国の人たちでも、キタハマという地名は知っているという状況を将来的に作るのです」と答える。僕は自己のなかに長年あたためていたわけでもない、北浜自治州にむけての構想を一同に伝える。


エイリアンが「よし、資金提供を募ろう、この界隈でA社とB社が大きな資本を持っとるけど、そのどちらを調略する?」


僕が答える「A社とB社のどちらかを選ばないといけないのですか?」


ガルパンの男と斥候の男が「同業者やねん、どっちもいうんはなかなか難しいんやないかな」


僕はそれを聞いて答える「であるなら…、その同業者を結ばせるのです。薩長同盟のように似たもの同士は反発もしますが、結託すれば強い。船中八策については僕に任せていただければ結構です」


エイリアンはいう、「あんたビジョンが見えとるな、見えとるな、おもしろいな、それ、やろか!私のギャラリーをあんたにあげるわ!人脈もなんでも使うたらええわ!」


ええっ!?と一堂が顔を見合わせる。


エイリアンはその仰天を無視して続ける、「こんな面白い話しをな、飲みの席だけのことにしたらアカン、私は作家一本に転職いたします!」と宣言をした。


まず、その場にいる全員で北浜自治州の範囲を決める。


《東》:東横堀川
《西》:御堂筋
《南》:本町筋 ※タッキーの大好きなHOOTERSは残念ながら除外された
《北》:土佐堀


北と東を攻められたとしても、橋を切り落とすことで時間は稼げます。兵力は西の御堂筋側に集中させておきます、南が手薄になりますが、これは段階的に船場センタービルを要塞化することにより、難攻不落の防衛を実現することが可能です。と僕が発言する。


ガルパンの男が「第二次、大坂夏の陣やな」と吹き出しながら、相槌をうつ。


自治州の範囲内に大阪証券取引所がありますので、そこがこちら側にひっくり返るタイミングで独立の宣言日とすることにしましょうと、僕が発言する。


「初代の自治領主は船場吉兆の女将にお願いしませんか?」


「ダメだ、あの女将は今、北新地の住人となった」


エイリアンが「食糧はどうする?」と質問をする。


温泉マニアの男が答える「自分は八尾の人間なので、このパルチザンには加われませんが、農協にツテがあるので食糧の供給はいたしましょう。八尾の枝豆は絶品です」


「兵站は戦略において最重要課題ですので、ありがたいです!」とは、僕の謝辞。


僕も続ける「まず、北浜に住む人たちの意識において「自主独立の気運」を潜在的に盛り立てていくことが重要です。そのためにはいつまでも谷崎潤一郎にしがみつくのではなく、あらたな北浜文学が必要なのです。さも、元々あったかのような北浜気質を作るのです」


エイリアンがいう、「北浜についてやったら、私がこれまでに何冊も書いとる」


「それは例えばどういう話しなのですか?」と訊ねる。


「北浜のタワーマンション同士の住人がな、のぞきあいする話しや。ありとあらゆるところで、こっちとあっちのタワーマンションの住人同士がのぞきあいする話しや」


エイリアンの説明をきいて笑いが止まらなくなった。


「僕は香川県人なんですが、自分の知らないあいだに『うどん県』と言われ続けて、いつの間にか自分は『うどん県』の出身だと無意識に思い込むようになっていました。言葉というのは恐ろしいものです、なかったことをあったことのように記憶や意識を改竄するのですから」


僕がそう説明すると、別府生まれの斥候の男も同調する。


「俺も他人から温泉、温泉といわれて、そのうち自分が温泉に詳しいんじゃないかという気になっとるわ」と。


エイリアンが僕に問う、「自治州の東側、東横堀川を歩いたことがあるか?」


僕は「まだ、歩かない」と答える。


「東横堀川の河川敷には、ここに勝手に植物を植えるなと看板に書いてあるんやけれど、みんなが色んな植物を勝手に植えるから、そりゃあ多彩な植物が野生化して育っとる」


ガルパンの男が合いの手をいれる、「あれ、看板がなかったら、誰も植えんかったん違うやろか」


「僕はその話しを聞いて、ますます、この地が自主独立の気風を作るに適した地だと再認識しましたね」と僕が答える。


エイリアンが最後に「次に会うときは各人が何らかの具体的なプランを持ってくるように」と号令して、北浜の急造パルチザンは解散となった。


深夜の解散と時を同じくして、常連の不思議な女がやってきた。


エイリアンは僕に指示する、「彼女にもあなたのプランを全て説明しておくように」


常連の不思議な女は、私を巻き込まないでくれと苦笑する。


エイリアンも去り、落ち着きを取り戻した店内で不思議な女は、ボソリとこういう。


「独自の通貨を作りましょう」


なるほど、妙案だと僕も賛同する「やっぱり、通貨の単位は『サク(作)』ですよね」


1万作、2万作、3万作、10万作、100万作…。


そういえば、福沢諭吉の立身出世は、この地から始まったのだった。自分の顔が最重要紙幣として扱われていることを彼が知れば、どう思ったであろうか。


僕たちには想像しかできない。


アラフォーおっさんは、これよりエイリアンの住処である異世界へ行って参ります。


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by amori-siberiana | 2017-08-17 14:34 | 雑記 | Comments(0)


北浜のビジネス街にある、昭和レトロなカフェのブログです。            大阪市中央区淡路町1丁目6の4 2階上ル