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2017年10月21日(土) ◆アラタメ堂のアタッシュケースを盗む

こんにちは、北浜にある猫のひたいのように小さな店。クントコロマンサ(旧名:画廊喫茶フレイムハウス)を共同経営する、ヒゲの男こと阿守のブログです。


いつぞやから降り注ぐ雨にそろそろウンザリ気味のヒゲの男。この男が雨が嫌いになって2日が経つ。どうして嫌いになったのかといえば、その理由は至極簡単であり、とても自己中心的なものである。まず、ひとつにはお気に入りのフルトンの傘が錆びついてしまったこと。もうひとつは修理したばかりの革靴が雨によって、外に履いて出ることを躊躇してしまうからだ。


別に雨のほうにしても、なにもヒゲの男のためだけに降っているのではないのだから、そのような難癖をつけられて嫌いになられようが、知ったことではない。雨はただただ、降るべくして天からやってくるのである。


さて、昨日のこと。


北浜のオフィスにてブログを書き終えたヒゲの男。その隣にて出来立てほやほやのブログを読むのはアラタメ堂のご主人である。


「阿守さん、なんなんですかこのブログ。もうお店の宣伝と一切関係がないじゃないですか」と、失笑しながらアラタメ堂は読後感想を著者であるヒゲの男に伝える。


「そんなに毎日、新鮮なネタがお店にあるわけではないので、取り立てて何もない日は、ボケ老人のように自分の思い出話しでも聞いてくれよ、というわけです」


他愛のやりとりを挟んで、アラタメ堂のご主人がヒゲの男に向かって手伝って欲しいことがあるという。もちろんカードゲームに付き合わされるのであることは、ヒゲの男にしても皆まで聞かずとも理解できている。この日にしてもオフィスに届いた二件の荷物のどれもがアラタメ堂のカードゲーム関連のものであった。


アラタメ堂は大量のカードゲームをオフィスのロッカーから取り出して、自分の席から少し離れた日当たりのよい応接スペースに積み重ねる。ヒゲの男も自分のデスクから離れて、そちらへ向かう。ちょうど外出から社内へ戻ってきたサーファーの上仲の姿があったので、問答無用で巻き込まれる。


アラタメ堂はカードゲーム専用のアタッシュケースを持っている。そのケースの中には様々なカードゲームが箱から取り出され丁寧に陳列されている。よほど貴重なものでも入っているかのようなそのケース。ヒゲの男はよからぬ想像をめぐらす。アラタメ堂がしこたま酔っぱらって千鳥足で細君の待つ家へ帰ろうとする途上、暴漢に襲われる。暴漢はアラタメ堂のアタッシュケースを奪う、アラタメ堂は必死にそれに追いすがろうとするが、酩酊のために足がうまく前に出ない。


暴漢は自身のねぐらにてアタッシュケースのカギを嬉々として壊す、札束が入っているに違いないのだ。カギは簡単に壊されて中に陳列されているカードを盗人は俯瞰する。そのひとつひとつを取り上げて確認する、出てくるのは「人狼」とか「占い師」とか「村人」と書かれた、よくわからないカードばかり。それも同じゲームのいろんな種類が同居しており、密集隊形のそれらは、「ほれ、みたことか」と盗人をあざ笑う。


ヒゲの男はこの一連の光景を頭のなかで思い描きながら、ひとつのことわざを作った。


【アラタメ堂のアタッシュケースを盗む】


意味:誰にとっても得にならないことに精を出す、愚かしい様のこと。


アラタメ堂とヒゲの男、そして上仲はゲームをする。職場では19時よりセミナーがあるため、上仲以外の二人はクントコロマンサに場所を変えてゲームに興じることにした。


ヒゲの男が先発隊として店に到着すると、そのすぐあとに吟遊詩人の女がやってくる。そしてカードゲームを重たい重たいと愚痴りながら、雨の中、アラタメ堂もやってくる。三人揃えば文殊の知恵ということばがあるが、今回は三人揃って「魔女裁判」をする。


途中、来月の19日にヒゲの男と一緒にギターを演奏する古池のおじきがやってきたので、ヒゲの男は裁判から一時的に退廷して、来月のイベントの打ち合わせをする。いつの間にか姿を現していたガルパンの男は、視線をスマホからそらさずにガルパンのゲームをしている。まるで、店の床から湧き上がってきたかのような登場の仕方である。


すると、いちげんさんのコージがやってくる。コージは興味深そうにアラタメ堂のテーブルを見る、ヒゲの男が一緒に混ざったらどうかと誘うとコージは二つ返事でゲームに加わる。吟遊詩人の女はハイボールを飲みながら、アラタメ堂が繰り出してくる新手のゲーム類を難なくこなす。


ヒゲの男はコケェッとたまに鳴く男と将棋に興じる。版画家の柿坂万作はその光景をみて、「なんか、この光景、ええですわ」と感じ入ったようにつぶやく。


確かに詐欺師と医師がひとつの盤面をにらみながら向かい合い、知能の限りを尽くしてヘボ将棋を打つことができる場所は、そこいらじゅうにあるわけではないであろうから、これはこの店のいいところである。その日は医師のほうに軍配が上がったようである。


夜も更けた頃、ハイタッチ冷泉が酩酊状態でやってきて、アラタメ堂と一緒に飲みだす。冷泉は珍しく自分の仕事について話しをする。敗戦処理を終えたヒゲの男もそこに加わり、いつしか「幸せ」とは何かについて終わりのない論議が繰り広げられるのであった。


ゲームというのは、一体なにであろうか。


ゲームをして腹がふくれるわけでもなし、金が増えるわけでもなし、おそろしいほどの時間を費やしながら、人はゲームに興じる。自分ひとりのこともあれば、他人を巻き込むこともある。ゲームとは一体、何であろうか。


本日、アラタメ堂のイベント開催。19時ころより、クントコロマンサにて。


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by amori-siberiana | 2017-10-21 13:34 | 雑記 | Comments(0)


北浜というビジネス街を独立させようと企む、ヒゲの総帥のブログです。
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