2017年12月07日(木) ◆THE LINKSは混成旅団。

こんにちは、北濱にある猫のひたいのように小さな店。クントコロマンサ(旧名:画廊喫茶フレイムハウス)を経営するヒゲの総帥こと、阿守のブログです。


さて、昨日のこと。


北濱のオフィスを出て歩いて5分ほどにあるツタの絡まる青山ビルへ行く。そのビルの一画には北濱のクリニャンクールといわれるギャラリー「遊気Q」があり、そこを取り仕切るのは自称301才というギャラリーの女性オーナー。ちょうど今日から新しい展示会が開催されているので、ヒゲの男はぐるぐるとギャラリーの中を回りながら作品を見る。今回は笹岡茂彦という男の絵画展示である。


先日、「阿守さんのおられるオフィスというのはどういうところなのか」という話しをギャラリーの女からされたヒゲは「一度、ご招待しますので来てみてはいかがですか」と応答したが「いきませんよ、絶対にいきません」と妙に固辞された。ヒゲの総帥が我が家のように通勤している北濱の臥龍窟こと「THE LINKS」というのはコワーキングスペースである。


コワーキングスペースとはなにかというと、ウィキペディアからの抜粋になるが事務所のスペース、会議室、打ち合わせスペースなどを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルである。在宅勤務を行う専門職従事者や起業家、フリーランス、出張が多い職に就く者など、比較的孤立した環境で働くことになる人が興味を持つことが多いと説明されてあり、実情もそのままである。


さらに文言は以下のように続く。コワーキングは独立して働きつつも価値観を共有する参加者同士のグループ内で社交や懇親が図れる働き方であり、コスト削減や利便性といったメリットだけではなく、才能ある他の分野の人たちと刺激し合い、仕事上での相乗効果が期待できるという面も持つ


ヒゲの総帥がそもそもどうしてコワーキングスペースを利用しようと考えたのかには幾つかの偶然が重なる。まず、年明け早々、ヒゲの総帥が同僚たちと運営していた会社のすべての資金をそのとき代表に据えていた一人の年配の男が使い込んでしまった。業績はよくてもキャッシュフローが追いつかず社員に給料を払うことが困難となり、さらには契約他社への支払いも滞ることとなった。これではいかんとその代表の男が簒奪した資金を取り戻そうとするが、代表者は資金をすっかりどこかで溶かしていた。数億もの金をそんな短期間に使い切れるものかと考えたヒゲは谷町にある法務局へ何度も行っては代表の男やその周辺に絡む人間の情報を取得していった。


さすがに会社でそのような探偵業務はできないのでそのための場所が必要だと考えたのがコワーキングスペースを探すキッカケであり、さらには会社業務自体は運行していたので家賃未払いで会社を追い出されたときでも、最低限の業務ができる場所を確保しておきたかったとのことだ。次、仕事をするなら観光バスでごった返す心斎橋ではなく北濱こそ最適と考えていたヒゲはその地でコワーキングをリサーチしてみる。そして二軒目に来たのが今いる「THE LINKS」であり、雰囲気も環境もここがよかろうと済ましたわけである。


コワーキングでなくてシェアオフィスでも良く特にこだわりがあったわけでもないが、「THE LINKS」がコワーキングオフィスだったので、そうなったという次第である。ヒゲの総帥はそれと同時進行して会社の金を使い込んだ代表者の関連する同業種の別会社に身分を伏せてアルバイトとして入社する。それが4月の末だったような記憶がある。関連会社の業績をあげるため腐心しつつも代表者の隠し資産がないかと調べていたのだが、どうにもスカンピンであることがわかった。どうやら反社会勢力から相当な脅迫を受けているそうだということがわかったのだ。


反社(A)から身を守るために別の反社(B)に自身の庇護をお願いする。というより向こうから言い寄ってくるのだ、ワラにもすがりたい代表はこれ幸いの助け舟だと思い、泥船に乗り込んでしまう。そして乗船賃としてまたそこに金を使わされる、しかし結局のところ反社(A)と反社(B)は互いに通じ合っているという具合であることは明々白々である。ヒゲの総帥はその答えに辿り着いた時点で会社の金を取り戻すことはすっかり諦めた。前の仕事の内容に嫌気が差していたこともあったが、未練などはまったく感じなかった。つまるところ、ギャランティーが良かったからできていた仕事だったのだなと今になって思うのだそうだ。もう人々の阿鼻叫喚を聞くのは御免蒙りたいのである。


残ったのはコワーキングオフィスだけである。


フリーランスのロビイストになり何か世論を操作する扇動記事でも書いて糊口を凌ごうと考えてみた矢先、行きつけの画廊喫茶フレイムハウスの店主であった版画家の柿坂万作より「うーん、阿守さん、言いにくいんやけれども、今月(7月)でお店が最後になりますねん」と打ち明けられることとなった。「万作さん、これからどうなさるんですか?」「うーん、またホームレスになるしかないな」「ホームレスですか…」「まあ、これまでにも経験しとるし、なんとかなりますやろ」と万作は力なく苦笑する。目の前で死神に片足を持たれて水中に引きずり込まれて溺れる者を放っておく英断はヒゲの男にはなかったので、それならば潰れないように経営の再建をヒゲの総帥が目指すこととなった。


それ以来、コワーキングスペースの「THE LINKS」は画廊喫茶フレイムハウス(現在:クントコロマンサ)のベースキャンプとなったのだ。


そして日記をつけることをした。この英断がどういった結末を迎えることとなるのかヒゲの総帥には判らないが興味がある。とにかくこれは自分の人生において大いに転機であることは感得する部分があるので司馬遷の史記を気どるわけでもないが日々の出来事を残すことにした。それがこのブログである。といっても一度書いたものを読み返すことはない、読み返すことを想定して書くとプロっぽい文章となり、何度も読み返せるものに仕上がるのだが鮮度が薄れてしまうのであるそうだ。


常連客の理解寛容なくして現在はあり得なく、シベリアの戦友や客たちの人情なくして現在はあり得なく、「THE LINKS」の不可思議な面々たちなくしての北濱クントコロマンサはあり得ない。成立しなかったであろうことはブログを読み返さずとも理解できる。


「THE LINKS」にはコーヒーの匂い以外には何もない。風景に染みついた長老のような人間の説教臭い話しもなければ、忙しいアピールだけに必死な尊大な人間もいない。もちろん仕事に熱中している男もいれば、ヒゲの総帥の隣では頭からコートをかぶって寝ているだけの女もいる。酒は出ないので酔っぱらいもいない、大金持ちもいれば貧乏人も一緒くたにいる。それなのに生活感のない空間であり、出たいときに出ていける、入りたいときい入ってこれる絶妙なる空間設計がされているのだ。なによりなんの同調圧力もないのである。


アキラメ堂のご主人もいれば、宗教画のモデルの女もいる、たまにハイタッチの冷泉すらやってくる。スタートアップ企業を目指す上仲もいれば、婚活事業の女たちやライターやデザイナー、心理カウンセラーやライブハウスの経営者や暇つぶしの人間などなんでもかんでもいる。自由交易都市や砂上にあらわれるサマルカンドにいるような雰囲気であり、ヒゲの総帥は大層世話になっているのだという。


THE LINKSからどれほどのGNPへの寄与と二酸化炭素の排出がなされているのかはわからない。とにかくここはヒゲの総帥からすれば、なくてはならない必要不可欠で愛すべき場所なのである。ビジネスはどうなのか知らないが、人は抜群に良いのである。昔の教科書に「山高きが故に貴からず、樹あるを以て貴しとなす」とあるではないか。


是非、「THE LINKS」へ来られたし。ブログの読者も増えてきていることなのだから、せめて宣伝恩返し。


するっとヒゲの総帥が現れて、そのままクントコロマンサの店内に放り込み酒浸りにさせることは請け合いである。


https://links-kitahama.com/


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by amori-siberiana | 2017-12-07 13:36 | 雑記 | Comments(0)


北浜というビジネス街を独立させようと企む、ヒゲの総帥のブログです。
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