こんにちは、北濱にある猫のひたいのように小さな店。クントコロマンサ(旧名:画廊喫茶フレイムハウス)を経営するヒゲの総帥こと、阿守のブログです。


将来の夢はゲリラです。でも、エロ行為はしますがテロ行為はしません。ダダイスティックな破壊活動にも興味がありません、ゲリラ救助とかゲリラ奉仕とかゲリラ寄付とかゲリラ親切とか、そういうものをできる人になりたいです。


2005年から2014年までSIBERIAN NEWSPAPER(シベリアンニュースペーパー)というバンドをしていました。元来はSOVIET HIPPIES(ソビエト・ヒッピーズ)という名前で活動していましたが、バンド名が過激だということで前者の名前に変更いたしました。革命を起こしたかったのです。2006年にはイギリスへ遠征して、2007年にはフジロックフェスティバルに出演しました。歌はなくバイオリンを中心に据えた異国情緒に溢れた素晴らしい音楽を生み出しました。


2014年に友人たちと会社を設立して内容は自他の安全のためここではハッキリ申せませんが、言葉だけで巧みに人を誘導する情報ビジネスをしておりました。2017年にその会社から離れて、今では沈没しかけていた北濱にある猫のひたいのように小さな喫茶店の再建するため、経営を一任していただいております。ただ、この喫茶店のマスターは僕のことを今の時代に珍しい若手篤志家だと考えているようです。


なかなかおもしろい人生を歩んでいます。社会との関わりかたや接点は変われど、その人間的な本質はあまり変わっていません。今となってはこの生き方を自分が望んだのか他人から望まれたのかも判然としません。


さて、昨日のこと。


先日のイベントのあと店内の電気系統に不具合がでていたので、ヒゲの総帥は電気の専門家のヤマトコに連絡して修理してもらえないかと依頼する。ヤマトコは仕事終わりにそのまま店に向かいますと快諾してくれ、ものの見事に修理を完了する。電気のことならヤマトコさんだなとヒゲの総帥は感動することしきり、「山さんは電気ゲリラだな」と勝手なことを思っている。元来、ヒゲの総帥が困ったときにその内容がなんであれヤマトコを頼りにして断られたことなど一度もないのである。


北濱のオフィスでヒゲの総帥が仕事をしていると、どうにも自分の席から異臭がする。いつかは収まるだろうと済ましていたが一向に異臭は留まることを知らないようなので原因究明に乗り出す。索敵の結果、ヒゲの総帥の靴下の臭いであると特定できた。原因がわかった以上はなんとか対策を練らないと仕事も手につかない。そういえば土曜日から靴下を代えていなかったのだ、土日は過酷な週末でこの男にしては服を替える暇も惜しむほど精勤したのだが、誰もこの男の精勤の結果などを異臭で報告して欲しくないのだ。


ヒゲの総帥はいろいろと逡巡したが結果的には靴下を捨てて、素足で冬の北濱をウロウロすることに決めた。ところがこの杜撰なる男は店に靴を置いたままにしており、今は店内用のスリッパで街中を練り歩いている始末なのだ。なので北濱のオフィスから店まで素足にスリッパという珍妙な格好で悠々と闊歩するのである。人が見ればまずこの男は変人に相違ないという意見になるであろうが、本人の了承のもとにその手に出るのであるから何を思われても自業自得なのだ。そしてすっかり腹を下してしまう。


店に行くと常連の不思議な女とハイタッチ冷泉がすでに来ている。さらにAI(人工知能)の開発者たちが来店して酒を飲んでいる、ヒゲの総帥はさっさと三階へ行きスリッパから靴に履き替えてウイスキーをチビチビやりながら、AIについての思うところを開発者に語りだす。


「どうせならAIが詐欺をするくらいになって欲しい。それとか、AIを麻薬のように中毒性を持つものにする。それぐらいの可能性があってやっと汎用性に繋がるのではないか。そもそも利便性に富んだものは良い方向にも悪い方向にも使い勝手があり威力のあるものでなかろうか。今の世の中は作る前からモラルがどうのこうのリテラシーがなんやかんや言われるが、そんなの気に留めてるとロクなことがない」と存外めちゃくちゃなことを言う。冷泉はそれを聞きながらニヤニヤする。


AIの開発者はAIが自発的に対人において詐欺ができるようになるまでには、まだまだ時間がかかるというが、そんなに未来の話しでもないのではないかという。常連の不思議な女も話しに混ざりAIの未来について語る。そのひとつひとつを丁寧に答えていく開発者の男たち、「あなたが考える理想のAIというのはどんなものか」というヒゲの総帥からの質問に「そつなく雑談できるAI」と答える。不思議な女がAIが人間にホスピタリティをもたらす可能性について語り、皆がうんうんと聞く。その向こうでガルパンの男はスマホを睨みつけながら戦場に戦車を展開している。


「AIとのコミュニケーションは言語を通じてすることになりますよね。ところ変わってペットというのは言語を巧みに操ることができませんが、人間にとってなくてはならない存在を占めています。ペットが持っていなくてAIが持っているのが言語だとしましょう、ならばAIが持っていなくてペットが持っているものってなんでしょう」とヒゲの総帥は頭がこんがらがりそうな質問をAI開発者に差し向ける。「うーん」と唸った開発者はなんだろうとヒゲの総帥に反対尋問をするがヒゲの総帥も同じように「うーん」と唸る。


AIマネージメントの男が口を開く、「AIと人間の大いなる違いならわかります。ある事例について(A)の選択肢の成功例が90%だとします、(B)の選択肢ならば10%です。AIなら迷わず(A)を選択しますが、人間はそうじゃない。可能性が不利に働くと知っていても状況によっては(B)を選択したりします。そこが確実に違います」という。ヒゲの総帥はこの言葉をきいて人間の面目躍如たりえると嬉しくなった。


しばらくするとアラタメ堂のご主人が民泊関連の起業家の男を連れてやってくる。彼は現在は大学に在学中ながら自分の会社を設立した野心家であるのだ。どうやら聞くところによると四国にあるという実家へ戻りたくなく、大阪に自分の存在する意義が欲しいとのことなのだそうだ。ヒゲの総帥も同感であった、このヒゲほどに郷土愛の薄情な男も周囲にいないのではないかと思うほどだ。ところがヒゲの男以上に郷土愛のなさそうな男が厨房にいる、版画家の柿坂万作である。随分と実家には戻っていないのだそうだ。


グラフィックデザイナーの男がやって来る。万作は三階から小説家先生の置き土産であるジャンベを二階へと下ろしてくる、グラフィックデザイナーの男がリズムを叩きだす、不思議な女とヒゲの総帥もジャンベを叩きだして、それに乗っかる。冷泉が人類創生のときのような声でどこにも属さない言語を発して歌いだす。長く長く続くセッションであった。


ガルパンの男は帰るといいだす。冷泉が声明のような音節で「なんで、帰るんやあ~あ~あ~あ~」と歌う、ガルパンの男も粋なもので高い声で同じように「もう~、こないな時間になっとるんや~あ~あ~」と返歌を贈る。その間中でも、ずっとジャンベによって三者のポリリズムは繰り返されている。


行き場のないグルーヴは北濱の夜更けを切り裂くのであった。


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by amori-siberiana | 2017-12-19 13:40 | 雑記 | Comments(0)


北浜というビジネス街を独立させようと企む、ヒゲの総帥のブログです。