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※入場無料


7月28日、最初の遊気Qでの演奏から丸一年が経った。とにかくいろんなことが起きた、やかましい一年だった。


残暑厳しいのは毎年のことであるが、今年は今月がそれほど連続した酷暑ではなかったので少しばかり得をした気分になっている。大阪は北濱にあるツタ絡まる大正レトロの青山ビル。その一角を占拠するギャラリー「遊気Q」では《巴里祭》なる催しが行われている。北濱のクリニャンクールたるべきを目指す、ギャラリーオーナーの本領発揮というべきであろうか。


この巴里祭に、一人の音楽家が登壇する。もちろん、私である。アモリのつもりというイベントは当初、回数限定のものだったが、いつしか皆の寛大さによってイベント回数を延ばしていくこととなっている。今ではヒゲの総帥のちょっとしたライフワークともなっている、小さなコミュニティでの小さな演奏会だ。


全ての季節を通じて、ここでギターの演奏をさせてもらっている。季節には色がつく。青春・朱夏・白秋・玄冬といえば知った人もいるだろう。私自身、こういったことを常に人から教わってきた。誰かに向けて何かを言わんとしようとする人の言葉より、なんら飾り気のなく、ほろりと口から漏れ出てきた言葉はいつも情緒と風情を伴っている。私はそれらを集めるのが好きだ、そういう意味で私は言葉のコレクターであるといっても言い過ぎではない。


人からの言葉によって生きている。人からの言葉によって一喜一憂して、人からの言葉によって自分が何者かを知る手掛かりを得る。


しかしながら、私は器量も良くなく偏屈な一面があるので、人からの言葉を正確に記憶する能力には乏しい。言葉の意味や真意よりも、その言葉から抽出される霊感のようなもののほうが好きなのだ。


言葉はそれを受けた側の人間の心に傷をつける(その傷自体が良い類のものか、悪い類のものかという議論は別にして)。


その傷跡に針を落として辿らせてみると、その言葉によってどのような心象を受けたのか、針は傷を伝わりその振動は音となって逆流してくる。そうなると言葉はすでに形を成さず、言語としては成立できず、ただ、単純な音のみとして耳に入る。そんな曖昧な演奏を毎回させてもらっている。


私は遊気Qでの演奏をコンサートだと思ったことはない。コンサートとは成熟した状態によってのみ開催されるべきであって、このように曖昧模糊とした状態を楽しむイベントではないのだ。これはとても中途半端な演奏会なのであり、私にとって毎度のこと楽しみな演奏会であり、小遣い稼ぎにもちょうど良いのだ。


このギャラリーに存在するノスタルジックな雰囲気は、そこに置かれているモノやそれを作りだすヒトの手によるものであることに疑いはない。それらを選別してコレクションとしているこのギャラリーの女オーナーが、私の演奏会を好き放題に企画してくれるというのは、果たして私も彼女のコレクションのひとつかも知れない。


それならば、それで光栄である。


北濱らしい。


8月10日の土曜日、19時00分からの演奏を聴きに来ていただけるなら本望であります。


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by amori-siberiana | 2019-07-28 19:59 | 雑記 | Comments(0)


北浜というビジネス街を独立させようと企む、ヒゲの総帥のブログです。
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