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8月25日の日曜日に北濱ジンクスにてアキラメ堂のご主人主催のゲーム会があることは既に当ブログにて喧伝しているが、その次の月には同じくアキラメ堂のご主人が主催するレトルト・カレーばかりを食べる会が催されるのだと、ヒゲの総帥のところにも招待状が届いた。


元来、カレーほど使い勝手のよい料理もない。かくいうヒゲの総帥もカレー作りに関しては美味いか不味いかは抜きにして唯一無二を自称している、この長年蓄えているヒゲはカレー作りの名人たる称号くらいに考えてくれても差し障りはないのである。第一、カレー作りで失敗をすることなど、まともな読解力があれば起きうるはずはないのだ。


ヒゲの総帥もそこまで重要でない誰かが蟄居先へ訪問した際などにはカレーを振る舞おうと常々心掛けている。今のところまだ作ったことはないが、要は気持ちの問題である。つまり精神論であり、それはいつかの時代では何よりも崇高なものであった。


しかしながら、アキラメ堂主催の会はレトルト・カレーと限定されている。持ち込みのカレーの品評会でないところが残念であるが、他人の作ったカレーほど食べにくいものもない。よく見知った人が作るカレーですら抵抗があるヒゲの総帥なのだ、初対面に出会った人がタッパーに詰め込んできたカレーを温めなおして食べろといわれても、想像しただけで鳥肌が立つ。であるからして、レトルト・カレーはとてもありがたい。


レトルト・カレーで好きなのは「カレー・マルシェ」の中辛。中でも特筆すべきは具に入っているマッシュルームが絶品だ。マッシュルームはフランス語で「シャンピニョン・ドゥ・パリ(パリのキノコの意)」だかなんだかいうはずであるが、なるほどマッシュルームが登場するだけで歌舞伎座からオペラ座へ移動したような錯覚に陥る。これは言い過ぎだが。


さて、そこまでカレーについてガタガタうるさいのならお前のカレー作りを教えてみろという察しの良い人間もいるかも知れない。もしくはいなかったとしても、自身のカレーのレシピを書きたいがだけに今、こうしてパソコンを開いているのだから言われずとも書いていく。


今のところカレーに対して特別な思い出も思い入れもない、カレーは自分の右足や左足と一緒で常に幼い頃より不惑を迎えた今の今まで食べ続けてきたもので、あまりに密接でありすぎたため、客観的な評価が下しにくい料理である。それではここにヒゲの総帥のカレーのレシピを誰に頼まれたでもないが、グラスノスチすることにする。





『味わうべき人生において起きる、はなはだ不愉快な事柄についてのカレー』


※=シェフからのひとことアドバイス


⓵フライパンを熱する。


※何℃でも構わない、熱ければよい。



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⓶バターを落として、みじん切りしたタマネギを好きなだけ放り込む。塩と胡椒も放り込む。


※目が痛くなるのでいつも、タマネギは1玉で降参している。バターがなければマーガリンでもよい。バターとマーガリンでは全然違うが、最終的にどちらを使ったとしても美味しくなるように考えられたレシピである。


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⓷タマネギが飴色になるまで丹念に木べらで混ぜる。あらかじめサイコロ切りにしておいたレンコン、セロリ、ニンジンをフライパンに追加投入する。ここでクミンを少々入れる。


※クミンさえ入れておけば、これが顛末としてシチューになろうとも目隠しして食べるとカレーに思えるという素晴らしい魔法のスパイスである。


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⓸野菜だらけのフライパンの中に、少しのブイヨンを放り込み、スパークリングワインを好きなだけ浴びせかけ溶かし、野菜たちと融合させる。ここでショウガとニンニクも少々加える。


※ショウガとニンニクはチューブのものが好ましい。片手で終わるからだ。スパークリングに関してはなんでもいい、白ワインでも構わないし、安ければ安いほどよい。そもそも高いワインをカレーに入れるのは素人名人会にユリ・ゲラーを登場させるような珍妙さがある。




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⓹野菜を炒めているフライパンに合い挽き肉を投入する。肉を分断しながら木べらで混ぜ込んでいき、醤油をほんの少しだけ垂らす。


※醤油はまったくのセンスである。醤油の味がしてしまうとここまでの苦労は皆無となる、醤油はただ入れるだけで味付けでもなんでもないのだ。なので入れましたという充足感さえ賄えればそれでよい。というくらいの量。これが後にとんでもない効果を発揮するのだから。



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⑥合い挽き肉が火山灰のような色になったのを確認して、カレーのルーを一般的な目安の半分だけ入れる。それを湯で溶きながら全体をまんべんなく混ぜる。


※これだけ手を加えて、さらにルーを入れるのかと言われるかも知れないが。もしも、ここまでで大きな手違いがあったとしても最終的にこのルーの存在によって、この何かわからぬ料理を四捨五入でカレーへと切り上げてくれるのである。ルーはまさしく救命胴衣である。沈没をするから備えているのではなく、あくまでこれは安心という精神的な側面における問題の類だ。



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⑦最後に自分の飲んでいるコーヒーを無感動にジャブジャブとフライパンに入れて、さらに混ぜる。


※あなたの飲んでいるコーヒーが無糖でない場合は、コーヒーの粉でも構わない。間違ってもカフェラテとか、カフェマキアートのようなものを放りこんではいけない。横文字ならなんでもいいという訳ではないのだ。



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⑧完成。


※全体の流れに共通するコツとして心しておかねばならないのは、「頼むから、美味しくできますように」と祈ることである。これが最大にして最強のスパイスになるし、自制心をも助長するようになる。


最後に東欧趣味の皿を用意して、そこに炊き上がった白米を乗せ、先ほど作ったカレーを入れればメインディッシュとなる。ここで飲むものとして、水だけを用意しておくのがよい。どのような味だとしても、水がその全てを洗い流してくれるのだ。


ヒゲの総帥は月に一度は『味わうべき人生において起きる、はなはだ不愉快な事柄についてのカレー』を作っては、次はあれを抜いてみるか、次はこれを入れてみるかと試行錯誤を繰り返している。フライパンの中で熱さを共存しているものたちの言葉に耳を傾けたとき、自然と彼ら彼女らが「ここをこうすれば深みがでる」とか「広がりがでる」など教えてくれるのだ。


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# by amori-siberiana | 2019-08-12 18:04 | 雑記 | Comments(0)


北浜というビジネス街を独立させようと企む、ヒゲの総帥のブログです。
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